設備紹介 | 入れ歯を保険で治す歯医者さん:杉並区にある【いとう歯科医院】

設備紹介

いとう歯科医院では多くの設備にこだわりを持っています。

 

 

はじめにおことわりしておきますが、ここで別に自費治療を行なうための高額な診断、治療装置を自慢したいわけではありません。設備をそろえているのは「患者さんに最適な保険治療」を行なうためです。安心して快適に治療を受けていただけることを第一に考えています。

 

歯科治療は日々進化、進歩しています。医療設備の進化も目ざましいものがあります。痛みが少なくて治療効果が高く、治療期間も短くできるようになりました。しかもリスクが少なく安全性が高いのです。

 

実はこれらの条件を備えた良いものは保険治療に取り入れられています。日常の保険治療こそ最良の物をもちいるべきと思っています。もっとも取り入れられるのに時間がかかるのは事実です。それは検証や治験を繰り返してリスクが少なく安全性が高いことを見極めているからに他なりません。

 

いとう歯科医院はそのような保険治療の姿勢に共感しています。やみくもに新しいものに飛びつくのではなく、慎重に見極めて採用している設備を紹介させてください。

 

歯を削る

 

~40年以上も愛用している、ドイツ製切削器具へのこだわり~

 

いとう歯科では薬や器具に関しては高いブランド品を使うようなことはしません。使う物は日本製がほとんどです。なぜなら質も良く安価だから。ただ一つ、どうしてもゆずれない器具がありました。それはKAVOです。KAVOとはドイツ製の最高級品です。多くの国産品があるなかで歯を削る器具はドイツ製を使っています。実用本位でこれを選びました。

 

昔、外で勤務医をしていた時のこと。その医院に削る器具はドイツ製が3本、日本製が20本ありました。私を含めて5人の歯科医がいてみんな使いたがるのはドイツ製。日本製は年季が入っているせいか中の軸が怪しくなっていたからです。ガタガタとブレて削りにくい。削りながらも変な動きを抑えるのに必死でした。また途中で空回りして削れなくなることもしばしば。

 

一方ドイツ製は全くブレません。空回りしません。ちょうど良い重量感で手にしっくり馴染みます。ストレスなく安心して治療に専念できました。院長先生に聞いたところ、実はドイツ製も日本製も10年前に同時に買い揃えたそう。ドイツ製は1.5倍ほどの値段なので少ししか買えませんでした。買ったばかりの時は同じように削れたのに10年経ってものすごい差が出てしまって。院長先生も日本製をやめてドイツ製に買い替えようか迷っているとおっしゃっていました。

 

そのことを覚えていた私は歯を削る器具を買うとき父に相談しました。

 

「新しい器具が欲しい」

 

父は、またかという感じで黙ってしまいました。新しい器具を買う時は父は厳しいのです。必ず相見積もりを取ってどれが良いか、選んだ理由を父にプレゼンテーションしなければなりません。即断即決はまずありません。たっぷりと時間をかけて決めます。無駄と判断すれば容赦なく却下。私が欲しいと交渉して却下された物もかなりあります。まして削る器具はそれなりに高価なもの。買うのに時間と根気がいるのを覚悟していました。今回もドキドキしながら話しかけました。

 

「KAVOで少し高価なんだけど…」

「……」ダメかな??ところが、意外なことに父の表情が少し緩んだ!!そして

 

「いいよ」

と、あっさりOKしてくれたのです。さらに「ちょっと来なさい」そう言うと父は私を診療室へ連れて行き自分が愛用している器具を見せてくれました。10年どころではなく昔の器具です。よく見ると形は全然違いますがそこには確かにKAVOのマークが…。もう40年以上も手入れしながら使い続けて今でも現役です。削る器具は簡単には買い替えられないから父も最初からKAVOを買おうと思っていたとのこと。そのような理由で歯を削る器具はドイツ製のブランド品にこだわっているのです。

 

また先日、お世話になっている元日本歯科大学高齢者歯科学教授の稲葉繁先生から、KAVOの優れた性能を教えていただきました。先生は長い間ドイツで歯科医療を行なっていました。削るときは歯に水を噴射しながら削ります。あなたも削られているとき口の中に水が溜まった覚えがありませんか?

 

実は水を噴射することで歯を保護する役割があります。削る摩擦で発生する熱を水で冷やすことで保護しているのです。水無しで削ると歯の温度は数十秒で60度まで上がってしまい歯の神経が熱による害を受けてしまいます。具体的には削っている最中あるいは後で歯が痛くなる症状が出ます。歯医者が削ったせいで歯が痛くなってしまっては何の意味もありません。そのため熱を発しないように水を噴射しながら削るわけです。

 

先生いわくKAVOと日本製では、水を噴射する量が違うとのこと。KAVOは毎分50cc。いっぽう日本製は毎分15ccしか噴射できません。確かに私が使っている器具も先端に水を噴射する穴が4つも開いています。このように大量の水を噴射できるのはKAVOならではなのです。

 

少し武骨ですが歯を傷めない。結果的には歯をなるべく削らないで良い治療をするために。こだわりの器具は日々活躍しています。

 

 

治療が見える安心を

 

~口内を写真にして、見て分かる説明を心がけています~

 

「先生、助けてくれますか?」ハキハキした仕事ぶりの看護師YさんからのSOSでした。

 

これは私が外の歯科医院に勤めていたときの出来事です。この病院は心身に障害がある方を専門に診る病院でした。歯科医である私は週1~2日、入院している患者さんの歯を治療したり歯磨きの指導をしたりする訪問歯科治療を行なっていました。通常は入院している患者さんは歯科治療が困難なので世話をしている看護師さんとともに治療を進めていきます。

 

普段は私が助けを求める方がよっぽど多いのですが、その日Yさんに助けを求められたのは意外でした。話を聞いているうちに様子が判ってきました。心身に障害がある方を専門に診る病院では患者さんの身内の方が頻繁にお見舞いに来られます。困っていたのは、その時に看護師さんに聞かれる質問の内容です。口の中のこと、歯科治療のこと、歯磨きの仕方について。すべて看護師さんの専門外のことばかり。

 

ところが看護師さんは歯科については詳しくありません。口の中を見ても分からない。歯科のカルテを見ても理解できない。説明が全く出来ないで困っている、というのが相談の内容でした。意思の疎通が難しい患者さんもいらっしゃいます。身内の方が気にするのはもっともなことです。

 

歯科についてあまり詳しくない看護師さんでも、歯科に関する質問に対して分かりやすく説明できるようにするにはどうすればいいか。本などでも調べましたが適切な方法が見つかりません。何か手がかりになるものはないかとひとまず病院の倉庫を探してみることにしました。点滴の器具や聴診器、その他の手術や治療に使う道具など興味深い物はたくさんあるものの今回の用途に合ったものは見つかりませんでした。

 

あきらめようか。院長先生に相談しようか。そう思ったときでした。片隅にある物を見つけました。ほこりがかぶった小さな箱に入っていたのは、口内を写す専用のカメラでした。

 

「もしかしたら、これが使えるのではないか」ほこりを払い中身を取り出し電源を入れると、ちゃんと画面が写ります。

「これはいい!」

 

さっそく使ってみることにしました。歯科医である私が写した画像をプリントしてウラに説明を書いたものを看護師さんに手渡してみました。患者さんの身内の方に写真を見せながら看護師さんが説明します。すると口頭では伝わりにくい内容も写真を見ながらの説明だと、伝える側も聞く側も理解しやすくなります。

 

この方式に切り替えてから患者さんの評判がとても良いとYさんは大変喜んでくれました。希望する方には写真を差し上げてもらうようにしました。そのとき以来、いとう歯科医院でも口内の写真は説明に不可欠な物として活用しています。

 

 

詰める、かぶせるを「高精度」で

 

~詰め物やかぶせものを作るための「型採り」に、こだわっています~

 

虫歯を削った穴は詰め物やかぶせもので元通りの形に修復します。その手順は以下の通りです。

 

  1. 虫歯を削ってから詰め物、かぶせものを作るために歯の型を採る
  2. 型に石こうを流し込んで模型を作る
  3. 模型上で詰め物やかぶせものを作る
  4. 患者さんの歯に入れる

 

歯の治療では一般的に行なわれることですが意外と難しいことがあります。それは模型上で作ったものが患者さんの歯に合わないことがあること。
そこで歯医者も様々な工夫をします。いとう歯科では工夫として、歯の型を採るのにこだわりを持っています。型採りはガムのような材料を歯にかぶせます。3分ほどで固まって歯の型が採れます。

 

はじめに断っておきますが、ガム材料自体にこだわっているわけではありません。材料は安全で使いやすいことくらい。型採りのあと患者さんにそのまま座って待っていただきます。そこが、こだわりです。患者さんが待っている間に歯科医は技工室へと入って、採った型の中に石こうを流し込んで模型を作る。何にこだわっているか分かりますか?

 

そう「時間」です。型を採ってから早く、5分以内に石こうを注ぐことにこだわりを持っているのです。

 

これには理由があります。私がいとう歯科に入る以前の外の歯科医院で勤めていた時、ある問題があってスタッフみんなで会議を開いたことがありました。ある問題とは、詰め物やかぶせものが歯に合わないこと。かぶせものを作る技工士さんの技術に問題はありません。石こうを流し込む技術かもと考えましたがスタッフみんな特に問題ありませんでした。

 

作った物が合わないと治療に時間がかかります。無理に合わせると機能が不十分だったり長持ちしなかったりします。合わない物を入れるのは患者さんに不利益になってしまう。何としても解決しようと議論が白熱します。

 

では、合うようにするにはどうしたら良いのでしょう?まずは型採りのガムの材料を高価なものに変えてみました。これはある程度は有効です。あまり安物だと精度に劣る物があります。ただ残念だったのはお金をかけるのは限界があること。また、お金をかけさえすれば良いわけではありません。材料の合う合わないがありました。型採りのガムと流し込む石こうとの相性があるようです。合わない物を使うと模型の表面がザラザラに荒れて使い物にならないことも。たくさんの材料を取り寄せて試しても結果が出ません。調整に時間がかかるのは相変わらず。

 

「仕方ないのかな」あきらめムードになっていた時です。若い技工士のSさんが初めて口を開きます。技工士さんは治療現場に出ることはありません。ですから現場の事に口を出すのを今まで遠慮していたとのこと。

 

「型を採ってから石こうを流し込むまで、どれくらいの時間を置いていますか?」とSさん。型を採った物は大きな箱に入れます。箱の中に型がいくつか貯まったところで、まとめて石こうを流し込むのが習慣になっていました。だから型を箱に入れたまま長い時間置いておくことが多かった。中には石こうを流し込むまで1時間以上も置いたままのこともありました。

 

Sさんは何か資料を持っています。「型採りのガムは変形しやすい」という論文です。15分間放置したガムがグニャッと歪んでしまう写真が載っています。私たち現場のスタッフはみんなハッとしました。型を採って1時間置いてしまったら、全然形が変わってしまいます。詰め物かぶせものが合わないのも当然だったのです。

 

そこで型を採ったらすぐ5分以内に石こうを流し込むようになりました。それ以来、かぶせもの詰め物は段違いに良く合うように調整も短時間でできてスタッフみんな大喜び。私は技工士のSさんに「ありがとう」とお礼を言いました。するとSさんは

 

「伊藤先生、役に立ててくださるならば、これあげますよ」

 

と言って封筒を差し出します。なんだろう?封筒を開けると中に入っているのは例の資料でした。Sさんから頂いた資料、今でもファイルして大事に保存しています。

 

いとう歯科医院では患者さんの歯に合った物を作るために早く石こうを流し込んで模型を作ります。そのため患者さんには少々お待たせすることがありますがご了承くださいませ。

 

 

歯を抜かない治療

 

 

 

「もう抜きます」と言われた歯を抜かずにすむこともあります。咬み合わせ調整の威力は絶大。ぐらぐらしている歯をしっかりさせる自然治癒力を引き出します。下記のような時に咬み合わせの治療を行ないますが、他の原因もあり得るのでよく診断してから治療するのが大事です。

 

症状例

ズキズキ痛い/鈍痛が続く/ときどき痛いことがある/かみ合わせると痛い/食べるとき痛い/歯の尖りが痛い/冷たいものがしみる/熱いものがしみる/片方の側でしか噛めない/かぶせものが外れそう/なんとなく違和感がある/頬、くちびるをよく噛む/食べ物が はさまる/歯がグラグラ揺れている/歯ぐきを押すと痛い/歯ぐきが腫れた/カクカク音がする/口が開けにくい など

 

診断・治療について

  • 咬合紙という紙をカチカチ噛むことで咬みあわせの診断を行ないます。
  • いとう歯科医院では精密に咬み合わせを調べるため8ミクロンの薄さの咬合紙を使っています。多くの歯科医院では30ミクロンの厚さのものを使っています。実は30ミクロンの厚さでは誤差が発生してしまい正しい咬み合わせは分かりません。
  • 噛んで歯に点状に色を着けることで咬みあってはいけない部分を判定します。
  • 咬みあってはいけない部分を磨くように削ることで調整します。削る量は30ミクロン程度といわれています。むし歯を削るみたいにガリガリ削ることはありません。
  • 何もせず様子を見たほうがいいこともあります。人の体はある程度の自己治癒力があります。いきなり削らず自らの体が治してくれるのを待つことも立派な治療のひとつです。
  • フェイスボウトランスファーという大きな機械を使うこともあります。頭の位置に対して顎と歯並びの位置関係を記録するための装置です。咬み合わせを正確に把握できます。かぶせもの等の歯の治療や顎関節症の治療、入れ歯の作製にも活躍しています。

 

 

  • 症状をなくすため大きく削って全く咬みあわないようにすることがあります。その場合は症状がなくなった後かぶせものを作ると噛めるようになります。
  • 咬みあわせの調整で症状がラクになったかどうか確認してください。ラクになっていれば症状はだんだん治ってきます。変化ナシなら症状は咬みあわせ以外の原因により起こっていると考えられます。
  • 咬みあわせは変化したり後戻りしたりします。調整時は調子良かったが再び症状が出た場合は1~2日様子を見てください。それで症状が治らないときは再び調整をすると良くなります。
  • 気のせいかな、というような小さな変化でもガマンしないでチェックすると咬み合わせの不正が見つかることが多いです。つめものやかぶせものが入っている歯は咬みあわせが変化しやすいことがあります。
  • 半年に一度、定期的に咬みあわせのチェックをすると安心です。

 

 

保険治療で「白い歯」

 

歯と同じ白い色の詰め物、かぶせものを部位によっては保険治療で金属を使わずにあなたの歯に合わせた自然な色で治療することが可能です。

ご存知でしょうか。保険治療で奥歯の一部分もプラスチックの白い歯にできます。

 

小さい虫歯を詰めるのは「CRインレー」
大きい虫歯をかぶせるのは「HJC(ハードレジンジャケット冠)」といいます。

 

昔からつめものやかぶせものは、丈夫なものが良い材料とされていました。そのため、金属で歯を作るいわゆる銀歯が主流でしたが、最近の研究では咬んでいるうちに金属部分に力が入りすぎて歯を割ってしまうことが分かってきました。割れた歯は抜くしかなくなってしまうことも多いですから、私たち歯科医も金属に対しては気をつけて経過を見るようにしています。

 

そこで現在では歯に近い「柔らかさ」を持つ材料の研究が進んできました。歯科用プラスチックは以前は割れやすいという事で敬遠されてきましたが材料と接着技術の大幅な進歩によって使える場面が増えてきました。

 

やはり銀歯よりは白い歯の方が良いものです。

 

いとう歯科医院ではなるべく金属を使わずに「詰め物はCRインレー」、「虫歯の範囲が大きくてかぶせる場合はHJC(ハードレジンジャケット冠)」を積極的に用いた治療を行なっています。

 

 

ピンク色に塗られた歯が奥歯です。その一部分のムシ歯がCRインレー、HJCの治療適応範囲です。

 

この症例の場合、2回の来院で治療は完成します。

 

治療ステップ

  1. まず歯の型をとります
  2. 型をもとに石こう模型を作ります
  3. 模型上でつめものを作ります
  4. 次回来院時につめものを歯に接着します

 

とはいえ、一番大事なことは半年に一度定期的に健診をすることです。詰め物の咬み合わせのチェックとムシ歯を防ぐための歯のクリーニングを行なうことによって、歯はより長持ちします。咬み合わせや虫歯の範囲によっては金属の方が安心な場合があります。プラスチックと金属とどちらが良いかは、よく話し合って決めていきましょう。

 

 

自分の歯を残したい場合の救世主「スーパーボンド」

 

抜歯以外に方法がなかった重度な虫歯、歯周病でも最新の歯科用スーパーボンドなら歯を抜かずに治療ができる場合があります。

 

「この歯は抜きましょう」
「神経まで痛くなりそうだから麻酔して歯の神経をとりましょう」

 

歯医者から、そう言われたことはありませんか?その場合になんとかなりませんか?と必死の訴えをされる患者さんがよくいらっしゃいます。2度と生えない物ですから大事にしたい気持ちは私たちも良く分かります。本当に抜かなければいけないこともありますが、歯を抜いたり歯の神経をとったりしないで治せることは実は多いです。かぶせものを再び使えることもあります。歯の根は傷んでいるように見えても適切な処置によって生かせます。

 

根の周りの出血を止めて歯を薬で消毒する。そして最新鋭の特殊な接着剤でかぶせものを接着することで長持ちすることが多いです。その最新鋭の接着剤を「スーパーボンド」といいます。

 

従来の合着剤を用いた治療法では、「歯を抜きましょう」「麻酔して歯の神経をとりましょう」「かぶせものを作り直しましょう」「かぶせものは作れません」とあきらめていたところでも、スーパーボンドならば生かせる可能性が大きくなりました。とはいえ欠点も多い材料なので、一般的な歯科医院ではあまり使いたがりません。それでも長い目で見ると患者さんの様々な負担を減らして、良いことが多いです。

 

いとう歯科医院ではスーパーボンドを積極的に使っています。スーパーボンドは日本人の科学者が発明した歯科用の接着剤です。強力な接着力が特長で、メリットがたくさんあります。

 

スーパーボンドのメリット

  • 歯を削るのが最小限で治療できます
  • 痛いなど不快なことが起こりにくい。生体への害や刺激が少なく異物排除の反応も少ないので接着してから腫れる、痛いなど不快なことが起こりにくいです
  • 応用範囲が広いです。歯と歯、歯と金属、歯とセラミック、金属と金属、金属とセラミックなど様々な物に接着できます
  • 安定して長持ちします。唾液でほとんど溶けないため他の接着剤やセメントと比べ安定して長持ちします
  • スーパーボンドを用いた治療は保険治療でできます

 

一方、欠点もあります。

 

スーパーボンドのデメリット

  • かぶせものが高くなることがあります。接着剤自体の厚さがあることが原因です。かぶせものが高いな、と気付いたらガマンしないで言ってください
  • 治療に時間がかかります。5種類の薬剤を患者さんに合わせて使い分ける必要があったり消毒や歯に対しての処理作業を丁寧に行なう必要があるため治療に時間がかかります。そのため長いあいだ口を開ける必要があります
  • 咬み合わせの力には弱いです。咬み合わせが高すぎて噛む力が過剰にかかると外れやすいです。かぶせものが高い、噛むと当たる、違和感があるなど気になることがあったらガマンしないで言ってください
  • 半年ごとの定期的な検診で咬み合わせをチェックして適正な高さに削ることで長持ちします。削るといってもミクロン単位で磨くようにするだけです。しみる、痛いということはありません
  • 痛い、合わないなど不快なことが起こったらガマンしないでください。もちろん悪くならないように細心の注意を払っています。
    それでも治療後に痛い、合わないなど不快なことが起こったらかぶせものを外さなければならないことがあります
  • スーパーボンドで接着したものを外すのは大変です。時間と手間がかかります。早めに対処した方が治療が最小限で済みます
  • 歯磨きは一番大事です。汚れが付いてバイ菌が発生するとバイ菌の侵入は防げません。毎日の歯磨きと半年に一度の定期的な歯石取りを行なうことで歯は長持ちします。スーパーボンドは研究され進化し続けています。スーパーボンドは強力な接着力を持っています
  • 口の中は湿度100%、咬み合わせの力もかかる大変か環境ですが信頼できる性能があります。歯、プラスチック、金属、セラミックと様々なものに対して接着力を発揮します。人体への毒性が少ないのも、他のセメントにはない優れた点です

 

 

虫歯の部分だけを正確に削り健全な歯は残す「エキスカベータ」

 

~電気も圧縮空気も特殊な薬も不要。祖父も80年前から愛用していた、鉛筆よりも細い切削器具~

 

「エアタービンなんかで削るな」

 

父の一言に私は驚愕しました。キュイーンと音を立てて高速回転で歯を削る道具がエアタービン。歯科医が用いる代表的な器具です。学生時代からエアタービンの使い方をひたすら習ってきました。私が勤めてきた歯科医院でもエアタービンを使わない所などありませんでした。それを使うな、というのは牛丼屋さんで牛肉を出すなというのと同じくらい天地がひっくり返るほどのことです。

 

「これを使う」

 

父が出したのは鉛筆より細い、頼りない棒のような器具「エキスカベータ」でした。エキスカベータは先端に細い刃が付いている切削器具です。基本的な器具のため勤めてきた歯科医院でもありましたが、私も他の先生もほとんど使っていませんでした。エアタービンで高速で削れるのに手でチマチマ削る必要はないと思っていたからです。

 

それに父が差し出したエキスカベータは刃先がピカピカに光っています。まめに新品に買い替えているとのこと。過去の遺物のような器具になぜコストをかけているのだろう。不思議に思いながら、それ以上なにも言わずその場は終わりました。

 

後日ある患者さんの虫歯の治療を父が行なっていました。見ると確かにエアタービンを使いません。エキスカベータを虫歯の穴に入れてカリカリ、カリカリ。あっという間に茶色や黒いの虫歯が掻き出されていきます。

 

「どうだ、見ろ」。父に促されて見てみると、虫歯はきれいに取り除かれてきれいな歯質だけが残っていました。後は詰めるだけ。

 

実は父も祖父からエキスカベータの使い方を習ったそうです。祖父の時代はエアタービンがありませんでした。だからエキスカベータを使うしかなかった。削るのに多少時間が必要ですが、削りすぎて歯の神経を傷めてしまうよりはよっぽど時間の短縮になると父は言います。

 

過去の遺物と思っていましたが使うと便利。エアタービンに比べエキスカベータは以下の利点があります。

 

エキスカベータのメリット

  • 熱を発しないので歯への刺激が少ない
  • 水を噴射しないので、口の中に物を入れられるのが苦手な人や嘔吐反射の強い人でも大丈夫
  • エアタービンでは健全な歯も一緒に削れてしまうが、虫歯だけを削って健全な歯を残すことができる
  • 歯の神経が近くにあるような深い虫歯でも痛くなくギリギリの深さまで削って歯の神経を残すことができる

 

もっともその性能を発揮するには、刃先がよく削れることが前提条件です。そのため少しでも刃が鈍ったと思ったら買い替えます。買い替えても安価なのです(1本/1,200円也)。

 

時代は変わりましたが、丁寧に虫歯を除去して歯を残すのが最も良い。この本質は祖父が歯科医院を始めた80年前から今に至るまで同じです。祖父も愛用していたエキスカベータを武器にこれからも虫歯の部分だけを正確に削り健全な歯は残す治療をしていきます。

 

 

入れ歯が痛い、合わないを治す「ティッシュコンディショナー」

 

~入れ歯の赤い床の部分に薄く張り足す材料。当院の入れ歯調整で一番よく使っています~

 

入れ歯の咬み合わせを治してよく噛めるようになったAさんでしたが1週間ほどして再び来院しました。

 

「入れ歯が痛い」…。これは致命的です。なぜなら痛い入れ歯は使えないからです。時間が経っても慣れることはありません。痛い部分を削ったりしましたが状態は芳しくありませんし、一時的には治っても別の場所が痛くなるのです。

 

そのようなことを数回ほど行なって今度は迷わず父に聞きました。父の答えも迷いがありませんでした。

 

「ティッシュコンディショナー使ったか?」

 

国家試験で出題されたので名前を聞いたことはありましたが使ったことはありませんでした。当時勤めていた都心の歯科医院で院長先生に聞きましたが置いてもいないとのこと。父に材料を分けてもらって使ってみました。

 

粉と液を混ぜて柔らかい餅状になったティッシュコンディショナーを入れ歯に塗って口の中に入れます。すると顎の形に沿って薄く広がって入れ歯が歯ぐきに吸いつくようになります。テレビのコマーシャルにある「入れ歯安定剤ポリ○○○○」を使うことで入れ歯と歯ぐきに吸いつく映像を流している、あんなイメージです。実際には入れ歯安定剤よりも薄く精密に合わせることができます。

 

使用前後の違いはすぐに分かります。

「あっ、ピタッとしました」とAさんは即答。次の日に経過を聞くと痛みもなくなりました。帰宅して父に報告すると「ウチはこればかり使っているからな」と素っ気ない返事。

 

その他の患者さんでも、他院でいくら調整しても治らない入れ歯に「ティッシュコンディショナー」を使ったらあっという間に痛みがなくなったこともありました。同じ歯医者でも設備や治療方針には大きな違いがあります。ティッシュコンディショナーを使っている歯医者は使っているけれど私が勤めていた歯科医院のように、置いてすらない所もあります。

 

そのようなわけで入れ歯が痛かったり、ゆるかったりといった悩みは、案外簡単に解決できることがあるのでご相談ください。

 

 

 

 

 

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