治療方針

いとう歯科医院は以下の患者さんを対象に治療を行なう歯科医院です。

高額の自費治療でなく保険治療の治療、かぶせもの、詰め物、入れ歯

保険にこだわる理由は、患者さんの気持ち、金額のバランス、メンテナンスのしやすさ等にあります。

地元、徒歩圏内にお住まいの方

入れ歯を修理、新製した次の日に、痛いなどの理由で調整が必要なことがあります。
あまりに遠方で通えないと、痛みを取り除けないなどかえって患者さんが苦しんでしまうことにもなりかねません。
また継続して4~5回の通院が必要な治療もあります。

遠方からの患者さんには、通う回数を少なく、痛みが出にくい方法でなど配慮しているつもりですが「遠方である」という理由だけで至らない点ができてしまう可能性があることはご理解いただきたいと思います。

当院で作製、修理、調整した入れ歯のメンテナンス

毎月~年に一度ていど定期的に通って入れ歯の調整や歯石除去など、決まったことを毎回行なっている患者さんが数多くいらっしゃいます。
たとえば入れ歯のゆるさ等は定期的に張り替えることで、いつも快適に気持よく使えます。
「決まったことをやれば安心」というのは患者さんも歯科医も気が楽です。
このようなお互いに心安らかなお付き合いを続けられることをいとう歯科医院では望んでいます。

以前に通っていた歯科医院でよく入れ歯のメンテナンスをしてもらっていたが、引っ越しや歯科医院の移転、閉院で通えなくなってしまい、どうしたらいいか困っている

入れ歯を見ると、どのようにメンテナンスされてきたか分かります。
ですから長年使っている入れ歯は、前の先生のやり方を出来るだけ踏襲してメンテナンスしていくのが理想と考えています。
不調な部分があれば保険治療で修理、調整などをして引き続き快適に使えるように努力します。
いきなり全部作り替えてしまったり高額な施術を勧めたりすることはありませんので安心してご相談いただけると嬉しいです。


祖父の代から「治療は安全第一」だから初めての患者さんには必ず保険で治療を行ないます

1934年に祖父が歯科医院を開業した時、歯の治療といえばスグに抜いて金属のかぶせものを入れるのが主流でした。
1本虫歯があれば抜いて両隣り2本を削って歯の神経を取ってかぶせるのは当たり前。
当時の技術ではそれが精いっぱいだったそうです。
そんな中、なるべく削らないで抜かないで保険で良い治療をしようとの意欲に燃えてスタートします。

10本抜かないといけないと言われて慌てて祖父の所に来たら「1本も抜く歯はありませんよ」と教えられ、それ以来40年以上通っている方もいらっしゃいます。
歯は抜くと元に戻すことはできません。
後戻りできない治療は慎重にやるべきと思っています。

また祖父が20年前に作った総入れ歯を今でも調整、修理しながら快適に使っている方も多いです。
患者さんが満足しているので父と私もとても作り変える気になりません。

「なるべく削ったり抜いたり作り直したりせず、1つの入れ歯を調整、修理しながら使うのが結局は患者さんの幸せになる」

祖父のこの姿勢は85歳で引退するまで決してブレませんでした。
その背中を見て育った父もまた、患者さんの満足と幸せを何より尊んでいます。
先代から培われた規範に外れることは決して行なわない。

父が50代で最もバリバリ働いていた当時、日本にはバブル景気がおとずれました。
バブルのころは歯科業界も拡大経営が流行しました。
会社みたいな組織にして大量に人を雇い入れて経費で高級外車を乗り回す。
父の知り合いでもほんの一時だけ羽振りのいい人がいたそうです。

もっともムダにお金を使い規模を大きくしてムリした方たちはバブル崩壊とともに大変なことになったと聞いています。
私がまだ高校生の頃です。

父はそのころもひたすら患者さん一人ひとりに合わせた手作りの治療を提供してきました。
極力かぶせものや入れ歯の作り直しを避ける、歯を抜く、削るのを最小限にする。
長きに渡って快適に食事ができるよう細かな調整を繰り返す。

以前拝見した患者さんは、別の歯医者で新しい入れ歯を作ったところ、古い入れ歯を取り上げられてしまったとのこと。
55万円で作った新しい入れ歯が合わないままで古い入れ歯も返してもらえない…。

「古い入れ歯を持っていると新しい入れ歯を使わないから、古い入れ歯は取り上げて捨ててしまったほうがいいよ」

そんな話は私も何人かの先生から聞いたことがあります。
いとう歯科医院では決して古い入れ歯を捨てることはありません。
今まで使い続けている入れ歯を調整すればずっと良くなります。

まだまだ快適に使えるはず。
新しい入れ歯が馴染むまでは古い入れ歯も大事に使ってほしい。
調整を繰り返して徐々に新しい入れ歯に移行していくのが違和感が少なくて良いです。

新しい入れ歯が痛い、食べられないなどの緊急事態が起こっても古い入れ歯があればしのげます。

父は入れ歯を見るとその人の辿ってきた歴史が分かると言います。
古い入れ歯は患者さんが長年築きあげてきた人生そのものです。
そんな患者さんの人生を簡単に否定するようなことは、いとう歯科医院はどうしても出来ない。

どうせ古いから、と否定するのではなく「もしかしたら良くできるかも」と可能性を追い求める。
祖父も父も治療を通じて入れ歯の扱いを通じて、そのひたむきな姿を私に見せてくれました。

患者さんが大事に使っている入れ歯をよく診もせず短い間にかえって合わない物に作りかえてしまったら、自分の体の一部である歯を何も言わずに削って抜いてゴミのように捨てたりしたら、

患者さんは果たして歯科医に信頼感を持つだろうか?
患者さんと一生のお付き合いが続くだろうか?

いとう歯科医院はおかげさまで一生どころか患者さんも3代目という方が数多くいらっしゃいます。
お孫さんが歯のクリーニングをしている横でお祖父さまが入れ歯の調整をしている。
いとう歯科ではよくある光景ですが、周りを見ても例がありません。

かけがえのない患者さんと長いお付き合いを続けるためにはどうすればいいか?

答えは私自身で探すしかありませんが、祖父と父がその答えを無言で教えてくれているような気もします。
今でもいとう歯科医院は常に自分に問い続けながら診療をしています。

【関連ブログ】→「■ 超過酷な耐久レース、入れ歯もバイクもサバイバル性能が物をいう」
→入れ歯を調整したら10年ぶりに入れ歯で食事できた症例

初めての方は必ず保険治療という方針を決めた理由

歯科大学を卒業してから7年間、都内の有名な歯科医院でお世話になりました。保険治療の良さに気づいたのは、最先端機器を導入し最新技術を華々しく売りにする都心部の歯科医院にいた時です。高額治療をしなくても保険で素晴らしい治療ができるケースに出会ったからです。

以来、高額な自費を中心とした歯科医院は避け、心身に障害がある方を専門に診る山間部の病院や保険治療を中心とした下町の医院に勤めました。両方の治療方針を体験して気づいたことがあります。それは…

「都心部でも山間部でも下町でも患者さんの悩みは同じ」

ということです。都心の大企業の人だから最先端機器を用いて最新技術を駆使した治療を施し高額な請求をすれば喜ばれるわけではない。それよりも保険治療で真面目に誠実に治せば多くの人が喜んでくれるに違いない。今から考えると当たり前のことなのですが、それが7年間外で見聞きして得た結論でした。

そして祖父と父が保険治療を中心としてきた事実をとても嬉しく誇りに感じたのを覚えています。ですから西荻窪のご年配の方もアラブの大富豪も同じ。

いとう歯科医院は開院以来80年以上「初めての方には必ず保険治療」を行なう方針を続けています。

【関連ブログ】→「非常事態に強い『レジリエンス(復元力)』のある入れ歯」
→「なぜ「患者様」と呼ぶのは、おかしいのか?」

→一方で大変申し訳ありませんが、こんな方は治療をお断りさせていただく場合があります。