なるべく削らないでほしい

Q.痛くない健康な歯まで削られたことがあります。説明後、納得した上で治療を進めてほしい。そのようにできますか?

A.説明後、納得した上で治療を進めていくことを第一に心がけています。

それは大変でしたね。
定期健診だけしてほしかったのに勝手にレントゲンを撮られたり痛くもない歯を削られたりしたという話を聞きます。
歯は削ると元に戻すことはできません。
後戻りできない治療は慎重にやるべきと思っています。

説明もなく歯を抜かれた、もう治っているのに何度も通わされたなど歯医者への不信感を抱いている方の話をお聞きすることもあります。
歯科医の説明不足も原因の一つだと思います。
そのようなことがないように十分な説明を心がけているつもりでも行き届かない場合もあるかもしれません。

疑問に思うことを患者さんからもっと質問していいと思います。
どんどん質問したり要望を伝えたりした方がかえって治療がすすめやすいです。

「入れ歯とかぶせものとどっちが良いのか」
「どの程度のムシ歯なのか」
「どんな治療をしようとしているのか」
「何回ぐらい通うのか」
「費用はどのくらいかかるのか」

患者さんが疑問に思うことは遠慮なく質問してください。

いとう歯科医院では治療について口頭で説明するとともに説明のプリントを差し上げています。
入れ歯の扱い方、裏を張り替える治療について、咬み合わせの調整について、虫歯の治療法、口の中の写真撮影とその説明など、細かく詳しく説明するように心がけています。

また保険の入れ歯にしようか、自費の金属床入れ歯にしようかという場合などは1週間くらい考えてご家族の方とも相談していただくことをお勧めしています。
「今すぐ決めて!」ということはありません。
十分相談して時間をかけて考えて決めた方が長く満足できる治療ができます。
とにかく納得できるまで質問することが大事です。

Q.歯の詰めものが外れてしまいました。そのままつけられますか?

A.多くの場合、単に外れただけなら再び接着剤でつければ大丈夫です。

1回の治療でできます。
保険治療でできます。
詰めものが外れて歯科医院に行くときは念のため取れてしまった詰めものを持ってきてください。

歯の詰めものは粘り気の強い食べ物、ガムやキャラメルを食べたのをきっかけに外れてしまう場合があります。
また歯と詰めものを着けている合着剤の経年劣化で外れてしまうこともあります。

詰めものが外れる原因として多いのは詰めものをした歯がムシ歯になって外れてしまうケースです。
虫歯を削って新しい詰めものを入れることになります。
その場合は1~3回通うことになります。

詰めものが取れた後に痛い、虫歯が大きいときは歯の根の神経を取り除く治療が必要になることがあります。
その場合は5回くらい通うことになります。
痛い場合は神経を取らざるを得ないですが、虫歯が大きくても痛みがない場合はなるべく歯の神経を取らない治療をします。

Q.歯を削られて、かえって痛くなってしまいました。何もしなくてもズキズキと痛いです。痛みは取れますか?

A.1日程度で痛みが取れることがほとんどです。

虫歯が深いけど痛くはなかった。
そのような歯を歯医者が削ったことで刺激になって、かえって歯が痛くなってしまうことがあります。
痛かった歯が治療をした後にもっと痛みが強くなることもあります。

さぞご心配のことと思います。

でも1日程度で痛みが取れることがほとんどです。
1日待っても良くならない場合は応急処置で痛みを取り除く必要がありますので、現在かかっている歯科医師に相談してみてください。

歯を丁寧にですが深く削って歯の神経まで達する穴を開けます。
それから痛みを取る薬をムシ歯の穴に入れると数時間から半日くらいで痛みは治まります。

応急処置は1回の治療で痛みは治まります。
保険治療でできます。
痛みが治まった後は歯の神経を取り除く治療をしてから詰めもの、かぶせもので穴をふさぎます。

5~6回くらい通っていただく必要があります。
保険治療でできます。
治療部位、虫歯の大きさによって価格が変わってきます。

歯を削るなどの後戻りできない治療は慎重にやるべきと思っています。
元に戻すことができないからです。

治療後に痛むかもしれない時は予防的に痛み止めの薬をお出しすることもありますが、多くの場合痛みは出ないで済むか数日でなくなります。

歯科医院ではその場ですぐ治療方針を決められる場合と、痛みや腫れの経過を見ながら時間をかけて患者さんと相談しながら治療方針を決めていく場合があります。

神経をとらずに詰めものをして数日間その部分が痛むこともあります。
その場合も数日間または何週間かで痛みが消えることがほとんどです。

治療後にどんな感じで痛みがあるかも歯科医にとって大切な情報です。
遠慮なく、どういうときにどう痛んだか教えてください。
急いで歯を削って治療しなければいけないような痛みか、削らずに様子を見たほうが良いのか判断して説明します。

Q.歯型をとったり口の中に手や器具が入ったり歯を削ったりするのが苦痛です。嘔吐反射が強くてオエーッとなります。そのせいで虫歯を放置してしまっていますが大丈夫でしょうか?

A.治療前に嘔吐反射のことをあらかじめ言ってください。

嘔吐反射が強い患者さんは小さな歯科用ミラーを口に入れただけでも反応してしまうこともあります。
緊張していることが原因のことも多いです。
少しでもリラックスしていただけるよう努めています。

口を開けるのが苦手であれば、なおさら虫歯をなるべく早く治して歯みがき指導や歯石取りをしてムシ歯になりにくいようにするのが一番です。
具体的な対応としては無理しないで型取りの要らない治療方針もあります。
嘔吐反射が強い患者さんの型を取る時はいつも使う材料より短時間で素早く固まる材料を使って型をとったりします。

また歯を削るときに歯に水をかけながら削ります。
その水で嘔吐反射が起こることも多いです。
時間はかかりますが水を使わないで削ると嘔吐反射を起こすことなく削ることができますのでご安心ください。

鼻とお腹でゆっくり呼吸するとかなりラクです。
真横に治療イスを倒さないで、患者さんが座った状態で削ると嘔吐反射は起こりにくいです。

大学病院に行くのも一つの有効な方法です。
以前そのような患者さんの治療を依頼したことがあります。

点滴で鎮静剤を入れてリラックスした状態を作って治療をしたとの報告を受けました。
大学病院だからできるやり方です。
必要な場合に紹介しています。

Q.大きい虫歯があります。痛いとかしみることはありません。麻酔して歯の神経を取る治療しかないと言われたことがあります。普通の生活には困っていないのに大きく歯を削られるのは抵抗があります。回数がかかるのも通うのが大変です。なんとか神経を取らないで治療できますか?

A.なんとか神経を取らないで治療できることが実は多いです。

いとう歯科医院では「今は痛くないけれど痛くなりそうだから」と先回りして歯の神経を取る治療をすることはほとんどありません。
大きい虫歯があっても痛みがなければ、虫歯をできるだけ除去してからその穴に消毒の薬を入れて穴をふさぐことで痛みが出ないで過ごせる場合があります。
虫歯に薬を入れて穴をふさぐのは保険治療でできます。

昔の考え方では、若い時はむし歯で歯を抜くことが多いけれど、高齢者では歯周病で抜くことが多いと考えられていました。
しかし最近の調査で高齢者でも虫歯で抜くことの方が多いことが分かってきました。
いとう歯科医院でも高齢の方の虫歯治療を多く手がけています。

なるべく長く痛くなく自分の歯で食べたいものです。
たかが虫歯と侮らずしっかり治療しましょう。
もちろん虫歯予防のために定期的な健診も大切です。
そのためのご案内も差し上げています。

もっとも歯が何もしなくても痛い、食事がしみて食べられない、少し噛むとズキッと痛いなど、痛みが激しいときには神経を取る治療を行います。
神経を取る治療とは、歯を残したまま歯の根の中の神経だけを抜く治療のことをいいます。
経過を見ながら消毒を繰り返すので5~6回くらい通っていただくことになります。

保険治療でできます。
治療する部位、虫歯の大きさによって価格が変わります。

痛みを止めなければいけないときは神経を取る治療をするのがもっとも効果的ですが、それ以外のときは神経を取る治療はなるべく行なわない方が良いと考えています。

神経を取ることで痛みはほぼ確実になくなりますが他に様々な欠点があるからです。
治療後に年月が経つと神経のあった空間にバイ菌が入って痛みや腫れを起こすことがあります。

神経を抜いてしまった歯は歯の中に栄養分が行き渡らなくなります。
歯の色が黒ずんでくる場合もあります。
弾力性を失って枯れ木のような状態になった歯は折れたり割れたりしやすくなります。

よくある質問インデックス

  1. 歯科医院のかかり方
  2. 保険?自費?入れ歯にかかるお金について
  3. 入れ歯の扱い方
  4. 入れ歯が痛い
  5. 入れ歯がゆるい
  6. 入れ歯の違和感
  7. 入れ歯が壊れた
  8. 入れ歯の見た目が気になる
  9. 入れ歯で噛めない
  10. 入れ歯でしゃべれない
  11. なるべく削らないでほしい
  12. 歯を抜くことについて