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・言葉の意味が分かること、入れ歯治療の意味が分かることとは?

杉並区、西荻窪で安価な費用、保険治療での入れ歯治療を数多く手がける歯医者
いとう歯科医院の伊藤高史です。

辞典を引いたり人にきいたりして
「言葉の意味が分かった。」
と思うかもしれませんが本当でしょうか?

「言葉の意味が分かる」

ことは、あなたが思う以上に奥深いことです。

…子どもが音読するのは国語の教科書です。

最初に聞いた時、私は何を言っているのか意味がわかりませんでした。
今どきの小学生は難しいことを習うのですね。

文章では、私たちは新しく言葉を覚えるときに、物や様子、動作と言葉とを一対一で結びがちだと言います。

これは言葉の意味を「点」として考えています。
しかし言葉の意味には広がりがあると続けます。

たとえば小さな子どもに「コップ」の意味を教えるとしたら、どうしますか。

言葉で説明しようとしても子どもがその説明の言葉を知らないかもしれません。

実物を見せるのもひとつの手ですがコップにも色、形、大きさ、使い方など様々な特徴をもったものが含まれます。
つまり「コップ」の意味には広がりがあります。

保険治療でも、入れ歯はここまで治る

教科書をこの辺りまで読んだとき私の頭の中で何かをつかむような感覚が出てきました。

 何かが引っかかる感じ。
もう少しで水面の下から、引っかかったものを引き上げることができそうです。

さらに子どもの音読に耳を傾けます。

「言葉には広がりがあり、言葉を適切に使うには、その範囲を理解する必要があります。
つまり母語でも外国語でも、言葉を学んでいくときには、言葉の意味を『面』として理解することが大切になるのです。」

ここまで読んで、ようやく水面下のものを引き上げることかできました。

それは
「面として広がりを持つ言葉」
と歯科医療とのつながり
「面として広がりを持つ治療」
です。

私たち歯医者は患者さんを前にして様々な情報を得ます。

・歯のあるなし
・虫歯
・歯の揺れ
・入れ歯の具合など

口の中の情報を見て治療内容を決めていきます。

しかし情報を得るのは口の中からだけではありません。

・顎の関節や全身疾患の有無、
・患者さんの全体的な雰囲気や目つきや表情、
・患者さんの主観に基づいた希望、
・保険治療か自費治療か

なども考慮に入れる必要があります。

たとえば

「入れ歯が痛い」
そう訴える患者さんだったとして

「じゃあ入れ歯の痛い部分を削る」

と一対一で結び付けられるわけではありません。

・入れ歯を削る、
・歯科専用の安定材ティッシュコンディショナーを貼る、
・入れ歯の咬み合わせを調整する、
・入れ歯ではなく周囲の歯が原因
・脳の働きの異常が原因
など、

治療法には広がりがあります。
そのようにたくさんの治療方針の中から最適なものを選ぶわけです。

そう考えると

「どんな患者さんのどんな口の中でも、とにかくお金をかける自費治療一辺倒」

そんな「点と点」みたいな狭窄した視野しか持たない歯医者がいたとしたらそれは暴挙でしかありません。

部分入れ歯を作る費用は保険治療3割負担の方で総額約1~2万円

歯科治療とは患者さんを「面」として理解する、面と認識して様々な角度から治療方針を検討することが大切なところが、言葉の学習と同じなのです。

さらには

・前に通っていた歯医者との関係、
・保険治療の適用範囲、
・10年先を見据えた方針

なども考慮に入れると、治療とは面を超えてもっと複雑な「歯という立体」を作る仕事とも言えます。

思い起こすと今の私は果たして十分にあらゆる角度から治療という「立体」を把握できているのか。
患者さんの希望に応えられているのか。

患者さんの話を表面だけ聞いたつもりになっていてその奥に隠されたものを引き出せていないかも。
10年先を考えると治療の不十分な部分が見えてないかも。
自分の治療とはまだまだ修業が足りず、立体とはいえざっくりとした粗削りで四角四面なものでしかないかも。

急にいろいろなことが頭に浮かんできました。

音読を聞いてからは治療の良さを引き出す余地がもっとあったのではないか、もっといろいろな角度から見ることができるのではないかと、より一層の検証と改善を心がけるようになりました。

他にも英語ではスープを飲むではなく「食べる」と表現するとか、韓国語や中国語では「持つ、抱える、背負う」は分け方や分ける細かさが変わるとか違いがあります。

そのように一つの言葉の広がり方は国によっても変わってくると述べていました。

おもしろかったので教科書を借りて最後まで読んで、確かにその奥深い内容に感動してしまいました。

私が小学生のころは感動などしたことありませんでした。
今どきの教科書は良いことを書いてあるのですね。

このように
「言葉の意味が分かる」
のが難しいのと同様に自分が

「入れ歯治療が分かった」

と若輩者の私が堂々と言えるようになるのは、まだだいぶ先の話になりそうです。

入れ歯と口の機能の検査は保険治療3割負担の方で約2,000円

ではどのような「立体」を理想とすれば良いのでしょうか。

それはダイヤモンドの「ブリリアントカット」だと思います。

もとはただの石ころみたいな原石をカットして複雑な面を作り、ダイヤモンドを宝石としてもっとも輝かせる形です。

入れ歯もブリリアントカットに劣らず複雑な形をしています。
そしてその凹凸の一つ一つに実は意味があります。

「かっこいいから」というだけの理由で形を作ってしまうと口の中で全然合いません。

それと入れ歯を作ったまま、あるいは調子が悪いのをそのままにしておいたのでは良いものにはなりません。
それはダイヤモンドの原石みたいなものです。

数年前に山梨県の石和温泉へ家族旅行に行ったときに石の博物館でダイヤモンドの原石を目にしました。
しかし私には茶色い石ころにしか見えませんでした。

保険適用のプラスチックの入れ歯であっても、咬み合わせをミクロン単位で調整したり、ティッシュコンディショナーという歯科専用の入れ歯安定材を貼ったりして丁寧に加工する。

その良さを複雑な立体に削り出し、奥深い造型によって口の中でキラリと輝かせる。

そんな理想の入れ歯を目指して日々の治療に励んでいます。

参考文献:国語(銀河)、今井むつみ文、光村出版

入れ歯の調整の必要性

入れ歯の調整は口の中の健康と生活の質を維持するために非常に重要です。
以下にその重要性を説明します。

1. 快適さの向上

入れ歯が適切に調整されていないと口の中でズレたり痛みを起こしたりすることがあります。
これにより食事や会話が不快になるだけでなく日常生活全体がストレスフルになる可能性があります。

適切な調整によって入れ歯がアゴとしっかりとフィットするように保って快適さを向上させます。
歯科専用の安定材のような役割をするティッシュコンディショナーという材料を薄く貼ることでフィット感を大幅に改善できることがあります。

2. 口腔組織の保護

不適切な入れ歯は、入れ歯と接する粘膜や歯グキに圧迫や摩擦を与えて潰瘍や炎症を引き起こすことがあります。
場合によっては食事できないことにもつながります。

とくに「食事すると痛い」という現象は、入れ歯の一部が歯グキに強く当たって歯グキを傷つけることで起こります。
その当たる直径数ミリの範囲を削って改善することがほとんどです。

これらの問題が長期間にわたって無視されると口腔癌のリスクを増加させる可能性もあります。
定期的な調整によってこれらの健康問題を予防し、口腔組織を保護します。

3. 咀嚼能力の維持

入れ歯が正確にフィットしていないと食べ物を適切に噛むことができません。
これは栄養摂取に影響を与え不適切な食事バランスや消化不良を招く可能性があります。

調整により入れ歯で効果的に食べ物を噛み砕く能力を保つことができます。
生えている歯よりも入れ歯は噛む効率が悪いとは言われるものの、適切な入れ歯を使うことで日常生活は保てます。
保険治療で入れ歯を調整する歯医者にご相談されることをおすすめします。

4. 発音の改善

入れ歯がズレたり厚さが合っていないと、とくに新しい入れ歯を装着した直後は発音に影響を与えることがあります。
調整により入れ歯が口の中で安定し、自然な話し方を助けます。
また厚さを調整することで発音の改善につながることもあります。

薄くすることが多いですが逆に厚くすることで舌が上アゴに接触することを助けて発音の改善につなげることもあります。
これは社会生活や自己表現の面で大きな違いを生む可能性があります。

ただ〇ミリの厚さがみんなに適切、みたいなハッキリした数値があるわけではありません。
粘り強い対応が必要です。

5. 骨吸収の防止

入れ歯が適切にフィットしないと顎骨に不均等な圧力がかかり骨吸収が進行することがあります。
これは顔の形や歯並びに影響を与え、将来的に新しい入れ歯を作る必要性を増やす原因となります。
定期的な調整は、この骨吸収を最小限に抑える助けとなります。

もっともアゴ骨の骨吸収は全身の状態などの影響も受けます。
定期的な調整でアゴ骨の変化に適応していくことが大切です。

6. 心理的健康のサポート

見た目や機能が制限されることで生じる心理的ストレスも大きいです。
入れ歯が正しく調整され、自然で効果的な状態を保つことは、自信の回復やストレスの軽減に寄与します。
大きく口を開けて笑えるとか不自由なく食事できるとか、生きていく上で大切なことです。

調整のタイミングと方法

初回調整:
新しい入れ歯を入れた直後の数週間は特に重要で適応期間として何度かの調整が必要です。

定期的な調整:
少なくとも半年に一度、歯医者によるチェックと調整が推奨されます。

自分で調整:
基本的には歯医者が行うものですが、入れ歯の位置を軽く調整するパッドや接着剤を使用することもありますが、これも専門家のアドバイスが必要です。
とくに市販の入れ歯安定剤で快適に過ごせるならば禁止するようなものではありません。

ただし今まで安定剤など要らなかったのに最近必要になった、などのことがあった歯医者に相談することをおすすめします。
適切な入れ歯の調整は単に快適さや機能性だけでなく、全体的な健康と生活の質に大きな影響を与えます。

近ごろは厚生省も保険治療を通じた医科歯科連携を推奨しています。
そのようなことは保険治療の算定項目や保険点数に反映されます。
医科とも紹介状などの文書を通じて連絡を取り合いながら定期的な歯医者への受診を行ないケア、治療をしていくことを推奨しています。

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