「ガマンできることをガマンさせるのが『しつけ』だからです!」
「……。」
娘は憮然とした表情で私を見つめています。いきなり「ウルトラスーパーチョーップ!」と叫ぶやいなや「ズバッ!」と私のお尻を手刀で袈裟切りに。先ほど見たヒーローの必殺技です。小学生の力とはいえ意外と痛い。
「ギェェェ~ッ」ヒーローにやられた怪人の悲鳴をあげると娘は「ケッケッケ~♪」と笑いながらチョップの連打。結局おっきいチョコはあきらめて小さな果物ジュースで手を打ちました。
しゅうり
「パパー、チョコほしいー」
また始まった。さっきファミレスでデザート食べたばかりなのに。
こんなワガママをしばしば言うようになりました。親の器量が問われる場面です。チョコはダメと言うものの次の娘の言葉は容易に予測できました。
「なんでー?」実はこれがクセモノ。
「さっき食べたばかりでしょ」
「みんなで分けたら少なかった」
ここでひるんではいけない。
「晩ごはんまでガマンしよう」
「パパはこないだ、晩ごはん前にクッキー食べてた」そうきたか。
「今度買ってあげる」
「3日前にも同じこと言われた」
ああ言えばこう言うで、結局言い負かされてチョコを買うはめに。
「このおっきいチョコがほしいー」
「おっきいチョコはダメ」
すると間髪を入れず、またこの一言
「なんでー?」が始まります。
続く いれば
こんにちは、保険で入れ歯修理いとう歯科医院の伊藤高史です。このごろ娘がピアノの練習をサボりがち。そこで一計を高じました。私がピアノを一本指でポンポンやりながら「この曲はどう弾くんだっけな~」と独り言を言うと案の定、娘は振り向きました。「あたし、わかるよ」と言って娘は私を押しのけてピアノの前に座り得意げに弾きます。両手でパラパラと奏でるのはベートーベン「第九」のメロディ。すごーい! と大げさにほめると「じゃあ次の曲ね」とドヤ顔でピアノ教室の課題曲を弾きはじめました。「親が下手な手本をやってみせる作戦」は勉強や運動でも使えそうです。まだまだ素直ですね。計略とバレると困るので娘には内緒にしておきます。