杉並区、西荻窪で、保険の入れ歯治療を数多く手がける歯医者、いとう歯科医院の伊藤高史です。
オルタナティブブログに記事を載せました。
マウスピースで噛み合わせを挙げたら、口をクチュクチュ言わせる不随意運動がなくなった症例↓
https://blogs.itmedia.co.jp/ito_takafumi/2025/02/mem.html
ホームページ掲載 すみ
杉並区、西荻窪で、保険の入れ歯治療を数多く手がける歯医者、いとう歯科医院の伊藤高史です。
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杉並区、西荻窪で、入れ歯治療を数多く手がける
いとう歯科医院の伊藤高史です。
「僕、どうなっちゃうんでしょう?」
本当に心配そうな表情なのは50代男性のRさん。
心配のタネは歯4本分が金属のかぶせものでつながったブリッジです。
そのブリッジがグラグラ揺れてきた。
一度揺れはじめたブリッジの揺れを止めるのは不可能と思ってください。
他に歯はありません。
あとは全て入れ歯です。
最後の歯4本が一気に抜けてしまったらどうなるのか、というのがRさんの心配ごとでした。
結論から言うと全く心配無用です。
ブリッジを抜いてそれを直接入れ歯に継ぎ足す「増歯修理」ができるからです。
部分入れ歯は、残っている歯に金属バネ(クラスプ)を引っかけて口の中に維持しています。
元々ブリッジと入れ歯は合っているわけです。
だからブリッジを抜いて入れ歯に直接継ぎ出せば、よく適合します。
またブリッジと入れ歯のスキマを歯科用プラスチックで埋めるだけで修理できるので簡単です。
後は咬み合わせも元々のブリッジは咬み合わせも合っていたわけですから、その調整も簡単です。
増歯修理はプラスチックの人工歯を継ぎ足すことが多いです。
ただ今回のように既存のブリッジを利用すれば、もっと簡単に早く、よく合った修理ができます。
実際に30分ほどで修理できた入れ歯を入れたRさんは
「いやー早く治って良かった良かった」
と笑顔で帰られました。
とはいえ部分入れ歯から増歯修理して歯が一本もない総入れ歯になりました。
その後の調整は必要です。
また多くの場合は新しく総入れ歯を作ることになります。
通う回数が多くなりますので、よろしくお願いします。
Rさんもやはり抜いた部分の歯グキの変化に合わせて入れ歯を削る調整をしました。
とくに
「食事すると痛い」
というのは入れ歯の直径数ミリほどが歯グキに食いこんで歯グキに傷を作っているのが痛みの原因です。
入れ歯のその数ミリをちょっと削るだけで治ることがほとんどです。
後は入れ歯を合わせながら歯グキの状態を整える歯科専用の入れ歯安定材みたいな材料、ティッシュコンディショナーを貼ったりして歯グキを良好な状態にしていきました。
多くの場合にこのような経緯で総入れ歯になると新しく作ることが多いです。
とはいえ修理とティッシュコンディショナーで合わせたら上手に使えるので、このまま使えることもあります。
ただ修理した入れ歯は長年使うと壊れるようになります。
またティッシュコンディショナーが上手く付かなくなることもあります。
もっとも一番尊重するのは
「このまま使い続けるのがいい」
「新しく作りたい」
という
「患者さんの意思」
です。
入れ歯を使うのは患者さんなので患者さんが「こうしたい」との意思を受け入れて歯科医師はその意に沿うように治療を進めるのが結局は上手くいきます。
遠慮なく歯科医師を手足として使いこなして頂きたく思います。
また咬み合わせもブリッジと入れ歯では大きく変化します。
咬み合わせの調整も必要です。
抜歯した部分が治癒するのに時間かかります。
いきなり新しく総入れ歯を作るのではなく、抜歯後の治癒を待つ間にこのような入れ歯治療を行なって、新しい入れ歯を作る環境を整えることも大切です。
一つひとつ説明しながら治療を進めてRさんも一緒にがんばってくださいました。
おかげでよく合った総入れ歯を作ることができました。
今回行なったRさんのブリッジを抜いて入れ歯に増歯修理する治療の費用は、保険治療3割負担で総額約5,000円でした(症状によって費用は変わります)。
ブリッジ治療は、歯を失った場合にその隙間を埋めるための一般的な歯科治療法の一つです。
失った歯の両隣りの歯を削って失った部分を含む連結したかぶせものを入れる治療です。
以下にその利点と欠点を説明します。
利点
審美性の向上:
ブリッジは天然歯に似せて作ることができるため見た目が自然で美しい仕上がりになります。
とくに前歯の欠損部に使用すると笑顔が自然に保たれるでしょう。
機能の回復:
咀嚼機能が回復し食事が楽になります。
ブリッジによって歯列が補完されることで食べ物をしっかりと噛むことができるようになります。
発音の改善:
歯が欠けていると発音に影響を与える場合がありますがブリッジによってこれが改善されます。
既存の歯の保護:
失った歯の隣の歯が移動するのを防ぎ歯並びを維持します。
これにより長期的に見て、他の歯への負担を軽減します。
たとえば下の歯を失うと上の歯が落ちてくる(伸びてくる、挺出ていしゅつ)ことがありますが下の歯をブリッジで補って上の歯と噛むようにすることで挺出するのを防げる場合があります。
比較的早期の治療が可能:
インプラントと比べると手術が不要で治療期間が短いことが多いです。保険治療でも出来るので比較的安価で治療可能です。
欠点
隣接歯への負担:
ブリッジを作るためには健康な両隣りの歯を削る必要があります。
これにより健康な歯にダメージを与える可能性があります。
咬み合わせによる負担が両隣りの歯に、どのようにかかるか等、だれも予測できません。
とくに自費の高額治療でブリッジを入れると30万円~100万円など、より高額になりがちです。
それでほんの数年しか保てなかったりすると大きなトラブルになります。
そのようなことから当院ではブリッジの治療はほとんど行なっていません。
メンテナンスと耐久性:
ブリッジは時間とともに摩耗したり破損することがあります。
摩耗、破損すると金属がむき出しになって見た目が悪くなります。
そうなった場合の修理は大変難しい、あるいは不可能です。
定期的なチェックとメンテナンスが必要です。
通常、ブリッジの寿命は10年程度とされていますが個人差があります。
口腔衛生の難しさ:
ブリッジの下や周囲は清掃が難しくプラークが溜まりやすいです。
ムシ歯や歯周病のリスクが高まります。
それもブリッジの寿命を縮める原因となります。
特別なブラッシング技術やデンタルフロス、洗口液の使用が推奨されます。
とは言うものの実際に
「ブリッジのための特別なブラッシングや器具を指導している」
という歯科医院の話は聞いたことがありません。
またそういう指導を受けて実践してブリッジを長持ちさせている患者さんに会ったこともありません。
特別なブラッシング技術やデンタルフロス、洗口液の使用によってブリッジが長持ちする論文は探したのですが見つけることができませんでした。
ご存知でしたら教えていただけるとうれしいです。
費用:
初期費用は比較的安価かもしれませんが、長期的に見るとメンテナンスや再治療の必要性から全体のコストが高くなる可能性があります。
骨密度の減少:
失われた歯の部分の骨は刺激を受けることが少なくなり、骨密度が減少する可能性があります。
これは特にインプラントを将来考えている場合に問題となることがあります。
「失われた歯の部分、ブリッジになっていた部分の骨が骨密度が低い」
これも論文を見つけられませんでした。
こちらもご存知でしたら教えていただけるとうれしいです。
とはいえ、たとえば自費の高額治療のブリッジで100万円とか支払って、その後またインプラントで100万円を支払うとか、考えるだけで寒気がします。
保険治療の入れ歯をお勧めします。
可逆性の低さ:
一度ブリッジを装着すると、両隣りの歯を削ってしまったため容易に元に戻すことはできません。
これは治療の選択肢を制限します。
とくに当院では4本分のブリッジが抜けた所に入れ歯を継ぎ足す増歯修理で、その日のうちに歯並びを回復できます。
10本分のブリッジくらいなら同様の修理が可能です。
しかし入れ歯がなかったら、ある日突然4本~10本の歯が一気に無くなります。
食事もままならなくなります。
また当院のような修理を他の歯科医院でもできるとは限りません。
抜いたら抜きっ放しということもあります。
10年後の未来など誰にも分かりません。
そのような後からのことを考えると増歯修理が簡単にできる入れ歯をお勧めします。
【関連記事】→歯を抜くことについて
杉並区、西荻窪で、入れ歯治療を数多く手がける
いとう歯科医院の伊藤高史です。
「入れ歯で噛めない」
50代女性のNさんは、上アゴは歯が一本もない総入れ歯、下はご自身の歯がそろっています。
上の総入れ歯は、歯グキと接するピンク色の面はよく合っていました。
しかし口を閉じてもらおうとしたらアゴがふらふらっと横に揺れて、しかも一箇所に収まりません。
普通は、上下の歯が最も多くの部位で接触し、安定した状態にあるときの顎の位置があるものです。
この位置のことを咬頭嵌合位(こうとうかんごうい)といいます。
入れ歯の咬み合わせを見る一つの指標です。
Nさんの場合、この咬頭嵌合位が定まらない状態です。
「あ、あれ、どこが咬み合わせか、自分でもよく分からないんです」
これでは確かに噛めないはずです。
上アゴに一本でも残っている歯があれば、その歯で噛む位置が咬頭嵌合位であることが多いです。
一本でも歯が残っているのと、残っている歯がゼロの総入れ歯では咬み合わせの
難しさが段違いになります。
このような時に大事なのは、よく見ることです。
「お口を閉じてください」
と私が言うと、みぎの奥歯が当たった瞬間に上の入れ歯がカタンと外れます。
今度は私が上の入れ歯に手を添えて入れ歯が動かないように押さえて口を閉じてもらいました。
みぎの奥歯だけがカツンと当たる手応えが私の指先に伝わってきます。
やはりみぎの奥歯が先に当たってしまうせいで入れ歯が不安定になっている可能性が高い。
みぎが高いのか?
逆に、ひだりが低いのか?
これは口の中全体を見て判断したり模型を作って計測したり様々な技術があります。
ただ今回わかりやすかったのは、みぎ下の奥歯が明らかに尖っていたことです。
この尖りのせいで入れ歯が不自然な噛み方になっている可能性が高い。
歯は尖っている方が噛む効率は上がります。
歯が尖っている方が肉などを咬み切りやすい。
当たり前のことを言っているだけなのですが、これには条件があります。
それは、上下とも同じような形で尖った部分と凹んだ部分が合わさっていること、アゴや関節がその尖った歯にふさわしいことです。
これも当たり前の話です。
尖った歯を使いこなすなら上下とも尖った歯が必要です。
アゴもそれを使いこなせるガッチリしたアゴ骨と関節が必要なのは言うまでもありません。
ただ上の歯が入れ歯だと、そんな尖ったプラスチック製人工歯の入れ歯で下の歯と噛ませるのは至難の業です。
今回のようにアゴ骨が入れ歯を支えられず簡単に外れてしまうことにつながります。
上の総入れ歯に尖った歯を与えるよりは下の尖った歯を削ってなだらかにして入れ歯、アゴ骨に合わせた方が簡単ですし結果も良好になることが多いです。
治療は、まずは簡単なことから行なうのが原則です。
それで好転しなければ次のことを考えましょう。
歯の尖り1ミリ程度を削るだけなら患者さんの負担も最小限です。
歯を削ってから再び口を閉じてもらいました。
「あっ、ラクになりました。これなら、ひだりでも噛めます!」
Nさんは笑顔で答えてくださいました。
今度は咬頭嵌合位が定まって、しっかり噛めるようになりました。
左右に歯ぎしりしても入れ歯が外れないことも確認して治療終了となりました。
今回行なったNさんの、咬み合わせを調整する治療は、保険治療3割負担で約1,000円でした(治療費は症状により個人差があります)。
咬頭嵌合位(こうとうかんごうい)とは、上下の歯が最も多くの部位で接触し、安定した状態にあるときの顎の位置です。
下顎安静位から完全に口を閉じた先が咬頭嵌合位に相当します。
咬頭嵌合位には、次のような機能的意義があります。
咀嚼終末位として
習慣性開閉口運動の終末位として
生理的な咬みしめ位として
咬頭嵌合位は、顎関節や咀嚼筋に関係なく、歯の形態的な面から規定されます。また、中心咬合位とも呼ばれます。
咬頭嵌合位は、咬耗や抜歯、歯の移動、補綴処置などによって咬合面形態が変わると変化する可能性があります。
また、咬頭嵌合位の早期接触は、歯周組織をはじめ咀嚼系全体に大きな影響を与えます。
総入れ歯で噛むには、前歯で噛み切って左右の奥歯でつぶすように噛むのがコツです。
前歯のみで噛んだり、片側の奥歯で噛み続けたりすると、入れ歯が浮き上がって外れやすくなります。
総入れ歯の噛み合わせには、次のようなポイントがあります。
前歯と奥歯でバランスを保つ
奥歯を前後左右に均等に接触させる
総入れ歯では、天然の歯に比べて噛み合わせの力が約3割程度になります。
そのため、今までと同じものを食べようとすると噛み切れなくなる場合があります。
同じ食べ物でも野菜などは薄切りやみじん切りよりも輪切りにすると噛み砕きやすくなります。
肉などは細かく刻みを入れる隠し包丁を入れておくと噛みやすくなります。
工夫して入れ歯でも食事を楽しんでいただきたいと思います。
総入れ歯が合わないと、次のような問題が発生する可能性があります。
・食事中に入れ歯と歯茎の間に食べ物が挟まりやすくなる
・滑舌が悪くなる
・喋る・飲み込むといった口の基本動作全般の機能が低下する
総入れ歯に慣れるには調整だけでなく、総義歯自体に慣れることも必要です。
慣れるまでには、長い場合は1カ月以上かかることもあります。
参考文献:Search Labs | AI による概要
1. 初回の診察と印象採取
まず歯科医師は患者さんの口腔内を検査して残っている歯や歯グキの状態を確認します。
次に、柔らかいゴム状の材料(印象材)をトレーに盛って口腔内の型を取る印象採取という作業を行ないます。
この型に石こうを流し込んで石こう模型を作ります。この模型は入れ歯を作るベースとなるため、正確さが求められます。
既成の金属トレーを使うこともありますが既成トレーで型とりして作った模型を元に患者さんの口に合ったトレーをプラスチックで作ることもあります。
そのトレーのことを各個人に合わせている各個トレーといいます。
その各個トレーでもう一度型をとる精密印象を行なうこともあります。
当院でもとくに歯が一本もない総入れ歯を作る時にはよく行ないます。
2. 咬合採得
印象採取の後、咬合採得(こうごうさいとく)を行ないます。
これは患者さんが上下の歯を閉じた状態を模倣し、どのように歯が接触するかを記録するステップです。
ここで使用されるのは咬合レジンやワックスで、患者さんの正確な咬み合わせを再現します。
咬合採得は大変難しい技法です。
アゴの関節は上下だけの蝶番運動だけでなく前後左右にも自由に動くからです。
その中から最適なアゴの位置を決めます。
自分も今でも様々な技法を勉強して役立てています。
3. 試作用義歯の製作
石こう模型と咬合情報に基づいてワックスのボディと人工歯とで試適用仮義歯を作製します。
これは最終的な入れ歯の前段階で、患者さんが実際に口の中に装着して、フィット感や見た目、咬み合わせを確認するために使用します。
フィット感の確認:
試適用仮義歯を装着し、とくに歯グキや口腔内の他の部分に圧迫や痛みがないかをチェックします。
咬み合わせの確認:
患者さんに試作用義歯で噛んでもらい、食べ物を咀嚼する感覚や、上下の歯がきちんと合うかを確認します。
この段階で咬み合わせに問題がある場合、歯科医師は調整、歯並びの並べ直しを行ないます。
当院ではこの試適用仮義歯の作製までを歯科医師が行ないます。
試適用仮義歯を歯科技工所に外注して丸投げする歯科医院は多いです。
しかしそれだと、いざ修正が必要になった時に自分で並べていないので手が動きません。
結局は「できない」ということになってしまいます。
そうすると患者さんの不満が残る入れ歯となってしまいます。
4. 最終調整と製作
試適用仮義歯のフィードバックに基づいて最終的な入れ歯の製作に進みます。
ここでは、材質の選定や色調のマッチング、咬み合わせの微調整などが行われます。
材質の選定:
プラスチックや金属床、シリコン入れ歯など、患者さんの口腔環境や好みに応じた素材を選びます。
保険治療だとプラスチックになります。
プラスチックだと強度に問題ガー
などと言う歯科医師はいます。
ただそれは金属床やシリコン入れ歯などの高額自費治療へと引きずりこむための方便です。
保険治療でも補強の金属線や金属製の補強床などを入れることで強度は保てます。
入れ歯とは後から修理調整が必要になります。
だからプラスチックで作って後から修理調整しやすくしておいたほうが安心です。
色調のマッチング:
天然歯の色に合わせて入れ歯の色を調整し、自然な見た目を目指します。
保険治療でも、より白い色の歯を並べることができます。
もっとも例えば下の歯か黄色っぽいのに上だけあまりに白い歯を入れるのも変な感じになります。
おおむね上下や周囲で色を合わせることが多いです。
ワックスのボディで作った仮入れ歯を専門の歯科技工所に外注します。
歯科技工所ではワックスをプラスチックに置き換える「作業」をお願いしています。
後は部分入れ歯を歯に引っかけて口の中に維持する金属バネや補強の金属線を作ってもらいます。
ちなみに部分入れ歯の金属バネで、どうしても歯とピッタリに作りたい時には私が自分で金属バネを屈曲して作っています。
任せるところは人に任せますが絶対に成功させたい部分は歯科医師が自分で汗かいて責任を自分で背負うのが、いとう歯科医院流です。
5. 最終フィッティング
完成した入れ歯を患者さんの口の中に装着し、最後の調整を行ないます。
咬み合わせがきちんと合うか、快適に装着できるかを確認します。
この段階で細かい調整が必要であれば、追加の研磨や咬合調整が行われます。
この入れ歯の調整はある程度のメソッドはあります。
とはいえ、ここは患者さんが百人いれば百通りの調整法になるのであまり細かいことは書けない部分です。
6. 管理とアフターケア
入れ歯が完成した後も、定期的なチェックが必要です。
口腔内の変化や入れ歯の磨耗により、咬み合わせやフィット感が変わることがあります。
そのため、定期的な歯科検診を受けることが大切です。
入れ歯の咬み合わせは、患者の生活の質を大きく左右します。適切な作り方とメンテナンスにより、長期間にわたり快適に使用することが可能となります。
とくに
「食事すると痛い」
「これまで大丈夫だったのに最近は市販の入れ歯安定剤を使うようになった」
この二つのケースは歯科医院の専門的な技術で治すべき状態です。
早めに歯科医院を受診することをおすすめします。
【関連記事】→入れ歯で噛めない
西荻窪、保険の入れ歯治療を数多く手がける、いとう歯科医院、伊藤高史です。
オルタナティブブログに記事を載せました。
入れ歯の咬み合わせを修理して、咬み切れるようにする治療を行ないました↓
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杉並区西荻窪で入れ歯治療を数多く手がける
いとう歯科医院の伊藤高史です。
「家族を守る」
そんな言葉を耳にします。
とくに震災や凶悪事件などの後に耳にする機会が増えるように感じます。
もっとも戦争しているような国なら現実味がありますが、日本は治安が良く技術が発達し食べ物など余っているくらいです。
それなのに震災や事件に関係ないみんなも必死に働いて家族を守らなければならないのは何故なのでしょうか。
20代の時に都心のオフィスビル内で勤務医をしました。
そこは同じ場所で開業したかった別の歯科医から、手続きの不備を告発されて長年争っていました。
結局は管轄省庁の指導が入り撤退することになりました。
そのオフィスビルも周りじゅうに歯科医院があって良い立地とは私は思えなかったのですが熾烈な生存競争が繰り広げられています。
その当時の院長も別に拡大経営の野心があるわけじゃなく家族を守れればいいだけなのに、このように互いに競争し疲れ果て攻撃的になっていました。
どうしてそんなに苦しむ必要があるのか。
なぜ疲れ果てるほど競争し必死に家族を守らなければならないのか。
それなりに厳しい状況の歯科の世界に身を置いて自分なりに導きだした答えは
「なぜなら日本はちっとも平和じゃないから」
というものでした。
インターネットで「西荻窪 スレ」と検索すると街BBSというものが出てきます。
西荻窪について語ろうというページです。
西荻窪に限らず他の街BBSでも同じ話題を目にします。
それは「歯医者多すぎ」というもの。
他に多すぎる職業はコンビニなどたくさんあります。
逆に稀少価値な職業など駅前にはないかも知れません。
こんなに沢山あってどうするの?
そう言いたくなるほど様々な職業で同業者どうしが隣り合わせ、向かい合わせに林立して戦っています。
「イヤ俺は隣近所と仲良くやってるよ」
と言うあまのじゃくな歯科医もいるかも知れませんが、それは建前です。
本音では隣の歯科医院など目ざわりに決まっています。
インターネットのヤフーで検索すると私が開業している西荻窪駅前には50軒以上の歯科医院があります。
休日は快速電車が通過するほどのマイナーな駅前で50軒がしのぎを削っている。
同様にヤフー検索すると吉祥寺では100軒、銀座では250軒と出ます。
わずか半径1キロ圏内で250もの国が争っている…
調べてみると西暦250年ごろの三国志時代、戦乱の時代といわれた中国でさえ、いくらなんでもそこまでの群雄割拠ではありませんでした。
今の日本は三国志の英雄、曹操もビックリの戦国時代と言えます。
本物の血が流れないだけで「平和な内戦状態」なのです。
同じように考えているのは私だけではありません。
「キングダムで学ぶ乱世のリーダーシップ」(長尾一洋著、集英社)
で著者は述べています。
「今現在の日本や世界はどうか。乱世です。」
「ほとんどの業界で国内マーケットが縮小し始め、業界内での過当競争、合従連衡が起こっています」
まさにその通り。
そんな歯科業界を平和に治めることなど中国を統一した秦の始皇帝でも不可能でしょう。
近所や自分の知人、勤務医時代の歯科医院も閉院した話をチラホラ聞きます。
決して珍しい話ではありません。
家族を守らないとあっという間につぶされる過酷な状況は、歯科だけでなく他の業種でも似たようなもの、あるいはもっと厳しいものです。
日本は企業数が多すぎるという具体的な数値があります。
世界最大の株式市場ニューヨーク證券
取引所の時価総額は20兆ドル、東京證券取引所は5兆ドル、4分の1の規模です。
それなのにその中に上場している企業の数はアメリカは2300社で日本は3700社。
上場しているほどの大きな会社ですら日本では激しい競争にさらされています。
医療も飲食も流通も服飾も学習塾も美容院も自動車も不動産も、多くの業種が泥沼の内戦状態にあります。
歯科医師が過剰なのはデータからも明らかです。
「昭和 40 年代から 50 年代にかけて歯科医師不足が叫ばれ、田中内閣の1県 1 医大構想とも相俟って一気に歯学部・歯科大学は4倍近くも新設されることとなった。
人口10万人に対して歯科医師数をおよそ50名にというのが新設の根拠となったのだが、50名を超えるのに10年を要することもなく結果的には過剰な新設計画となった。
昭和62年に当時の文部省が閣議決定を受けて削減計画を策定したが、その効果は少なく歯科医師数は増え続け今では人口10万対80名を超える状況となっている。」
(参考文献:歯科医師需給問題の経緯と今後への見解 平成 26 年 10 月
公益社団法人 日本歯科医師会https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000071236.pdf)
そして戦争はもっとも国の発展を妨げるものです。
三国志についてインターネットのウィキペディアで調べたところ、後漢末の桓帝の永寿3年(157年)には人口5648万でした。
それが100年ほど後の三国時代には818万人の半ば。
およそ7分の1になるまでの減少であるとありました。
日本も平和な内戦が各地で繰り広げられている間は人口減少が続くのかも知れません。
それではそんな生き馬の目を抜くような群雄割拠の中で生き残るには、どうすればいいのでしょうか。
私は身につけた技術で生き抜くつもりです。
20代の勤務医時代に、自分の方向性に悩んで歯科医をやめようと本気で考えた時期がありました。
そんな悩みを当時の院長先生に吐露したところ信じられないことを言われます。
それは…
「ふうん、そうなんだ。で、キミはいったい何ができるの?」。
やめようと考えている人間に○○ができる! と胸を張って言えることなどありません。
院長なりに元気づけてくれようとしていたらしいのですが、沈黙している私のあまりのマイナスぶりに
「何もできないんじゃなあ…」
とため息をついて院長先生も黙ってしまいました。
そもそも「キミは何ができるの?」などと面と向かって聞くこと自体、かなり失礼な話です。
ただ私のような目に合うことはあります。
それから1年後くらいのことです。
別の先生からまた同じ質問をされました。
当時の勤め先の先輩が、あまりに悩んで前へ進めないでいる私を見かねて先輩の師匠格の先生に会わせてくださったときのことです。
とにかくできないなりに何か身につけようと歯科の本を読んでいた時期でした。
とはいえインプラントとか外科手術とかは本だけで身につけることはできません。
だから患者さんへの歯みがき指導の本をたくさん読み、日々の診療でも歯みがき指導を熱心に行なっていました。
何も言えずうつむいていた時代からは一歩だけ進歩したつもりです。
しかし師匠先生はそっぽを向いたまま答えました。
「ふーん…」
そして続けます。
「それなら歯科衛生士に頼んだほうがいいよなあ」
*長文になってしまったので次に続きます。
【関連記事】→いとう歯科医院の歴史