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「昇段試験の課題は30回」 カメまんねんブログ

西荻窪、入れ歯専門のいとう歯科医院、伊藤高史です。

「じゃあ、パパと一緒にやろうか」

筋骨隆々の先生と対峙する小学5年のRくん。
普段はウチの子にも優しく面倒見のいいのですが、拳を固く握り緊張した面持ちです。
闘いの前の緊張感が、見ている私たちにまで伝わってくる。

「始めます!」の先生の号令と同時に「ハイッ!」と叫んだRくんはいきなりの左ハイキックから左右ストレートの連打を繰り出す。
しかし先生は全ての攻撃をガードもせず体の捌きだけで軽くよけるとスッと回り込んでRくんの横につく。
先生の大振りな左フックをRくんは間一髪ガードした。

子どもが習っているキックボクシングジムの昇段試験、スパーリングのひとコマです。
子どもながら健闘するRくんに私も胸が熱くなりました。
次々と課題をこなすRくんでしたが最後がキツかった。

腕立て伏せです。
初級は10回、中級は20回、そしてRくんは上級なので30回。

15回すぎから顔が真っ赤になって上腕がプルプル震えています。
「あと少し、ガンバレ!」先生の檄は、見ているみんなの気持ちでもあります。
なんとか30回やりきったRくんは無事に合格。
先生も他の親御さんたちも私も、Rくんの合格に涙目になっています。

そんな中で物事を冷静に観察している者が一人おりました。
ウチの子です。
帰り道、子どもたちの大健闘の余韻にひたっていた私に「あの腕立て伏せは腕を曲げる角度が足りてなかった」と指摘した。

ま、確かにそうなのですが2年後はウチの子の番です。
「30回できる?」と聞くとブンブンと首を横に振る。
「じゃ、パパと一緒にやろうか?」と聞くと「やる!」と笑顔に。

しかし思いつきで言ってはみたもののすぐに大変な約束をしてしまったことに気がつきました。
20年ぶりの腕立て伏せはキツかった。
10回が精いっぱい。
Rくんのように上腕がプルプル。
しかも筋肉痛が3日も続くあたりに年齢を感じます。

あれから半年ほど毎日続けているうちになんとか30回できるようになりました。
肝心のウチの子ですが出来るようになったのでしょうか。上級試験に合格の見込みはあるのか? 聞いてみると

「100回やった!」

昇段試験の課題は最高でも30回なのに …。
試合にでも出るつもりなのでしょうか。
もし、ウチの子が将来テレビで、伝説のプロボクシングチャンピオン、メイウェザーと世紀の一戦を中継することになった際には応援よろしくお願いします(笑)