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・ひだり側だけしか噛めない入れ歯を、両側に歯がある入れ歯に作り直して噛めるようにした症例

杉並区西荻窪で入れ歯治療を数多く手がける
いとう歯科医院の伊藤高史です。

「やっぱり、みぎ側でも噛めるようになりたいですよね」

そうおっしゃるのは50代男性のGさん。
実はこの言葉を待っていました。

4年前に上の入れ歯を初めて作ったときから両側の奥歯はもうありませんでした。

しかし
「初めての入れ歯で、そんな大きいの入れられますか?」
と不安そう。

そんな時に作る入れ歯が当院にはあります。
それは
「片側だけにプラスチック製人工歯を並べた入れ歯を作る」
です。

前歯は自分の歯があります。
左右とも奥歯を入れ歯でそろえようとすると、ひだり、前、みぎ、の全部を入れ歯で上アゴの歯グキを覆うことになります。

そうすると、ほとんど総入れ歯と変わらない大きさになってしまう。

痛い入れ歯の調整の費用は保険治療3割負担の方で約1,000円~2,000円

入れ歯治療で最も失敗となるのは
「違和感すごくて入れておけない」
とのことで、作ったはいいものの結局使わない、となることです。

初めて入れる入れ歯がほとんど総入れ歯。
これはこのように失敗する可能性が大きいです。

だから4年前の時には、ひだり側だけプラスチック製人工歯を並べた部分入れ歯を作りました。

そうすると入れ歯の大きさは3分の2ほどにできます。

違和感も格段に違うはずです。

みぎは歯がないものの、それは放置。
学術的な観点から述べると非難されるのは仕方ないところでしょう。

でも人間の身体は理想論だけでできているわけではありません。

理想だけを追いかけて結局まったく使われない入れ歯になるよりは、みぎ側は後から考えるとして、まずは入れておける可能性の高い入れ歯を作る方が成功すると判断しました。

結論から申しますとGさんは入れ歯を受け入れることができて、毎日きちんと装着して使ってくださいました。

「後から考える」の意味ですが、残っている歯も揺れている歯がありました。

それを抜いて入れ歯にプラスチック製人工歯を継ぎ足す増歯修理をしたり、歯グキと入れ歯が接するピンク色の面(床)に歯科専用の安定剤リベース材などを貼ったりして使い続けました。

保険治療で入れ歯調整できます

その結果、ひだり側だけの入れ歯だったのが、みぎ側にもプラスチック製人工歯を少しずつ継ぎ足すことになりました。

でも元々入れ歯を使っていたので後から増歯修理して使う分には「違和感がー」という失敗は格段に少ないです。

それで4年が経過して修理だらけな入れ歯となったので新しく作ることにしました。

・患者さん自らがみぎ側でも噛みたいとおっしゃっている。
・みぎ側もすでに入れ歯になっている。

これならば新しく作るのは左右ともプラスチック製人工歯のある通法どおりの入れ歯にして何の問題もありません。

4回の来院で完成した、両側にまたがる入れ歯を入れたGさんは

「あっ、これなら両側で噛めますね!
違和感?_ぜんぜん大丈夫ですよ」

と笑顔でおっしゃってくださいました。

今回行なったGさんの入れ歯を新しく作る治療は保険治療3割負担で総額約1万5千円でした(治療費は症状により個人差があります)。

壊れた入れ歯も保険治療で修理できます

オーラルフレイル対策の推進により、近年、口腔機能への関心がますます高まっています。

オーラルフレイルは、老化に伴う様々な口腔の状態(歯数・口腔衛生・口腔機能など)の変化に、口腔健康への関心の低下や心身の予備能力低下も重なり、口腔の脆弱性が増加し、食べる機能障害へ陥り、さらには体の脆弱性であるフレイルに影響を与え、心身の機能低下にまで繋がる一連の現象及び過程と定義されています。

オーラルフレイルの概念はここ数年で変化していますが、2019年に発表された概念図では、口の健康リテラシーの低下から食べる機能の障がい(咀嚼障害、摂食嚥下障害)に至る幅広い問題を取り扱う概念に発展してきています。

オーラルフレイルにおける口のささいなトラブルは、そのまま放置していると身体的フレイルやサルコペニア、要介護状態、死亡の発生に関連することから、早期に発見し診断(口腔機能低下症)につなげること、機能が低下する前に予防的な取り組みを行うことが推奨されます。

口のささいなトラブルとは、「歯が20本未満」、「噛む力が弱い」、「舌を巧みに動かせない」、「舌の力が弱い」、「硬い食品が食べづらい」、「むせやすい」などの口腔機能の低下を指していますが、この中で特に重要な役割を果たしているのが舌の機能になります。

口の衰えや食べる機能の障害に対応するためには、舌の機能を適切に評価し、舌に対するトレーニング方法を知っておくことが大変重要です。

このブログでも、口腔機能および嚥下機能(以下、摂食嚥下機能)における舌の役割を解説し、舌運動の評価と機能を高めるためのトレーニングの方法について少しずつ紹介していきます。

また来院された患者さんにも冊子を配布したりして啓蒙に努めています。

参考文献:摂食嚥下における舌の役割と評価・トレーニングの方法

摂食嚥下における舌の役割と評価・トレーニングの方法

【関連記事】→入れ歯で噛めない「Q.左右どちらかでしか噛めない。片方にしか噛む力が入りません。噛みクセがあるのは良くないことはわかってはいるのですが…改善できますか?」


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・区の歯科健診で気軽に行ったはずの歯科医院にて、部分入れ歯に何か貼られて痛くなったので、当院で痛い部分を削ったら治った症例

杉並区、西荻窪で入れ歯治療を数多く手がける
いとう歯科医院の伊藤高史です。

「健診だと思ったから無料だし気軽に行ったんですけどねえ」

苦虫を噛み潰したような表情でおっしゃるのは70代女性のSさん。

内科健診のように気軽に近所の歯科医院を受診しました。

歯と歯グキの境目の汚れやプラークの付着の具合、歯周ポケットの深さ、出血の有無、歯の揺れの有無などを調べる歯周基本検査や虫歯の有無、入れ歯の具合、歯並びと咬み合わせの具合を調べるのが主な歯科での健診です。

その合間に世間話ていどに
「そういえば最近ちょっと入れ歯がゆるい気がします」
とSさんは言いました。

そこで部分入れ歯の床(歯グキと入れ歯が接するピンク色の部分)に何かを貼りつけられます。

するとそれ以来、入れ歯で食事すると痛くなってしまったとのこと。
これまで痛くなどなかったのに歯科医が何かしたせいで痛くなった。

…よくあるトラブルです。

保険治療で入れ歯の金属バネが折れたのを修理

区民健診の一つに歯科の項目があります。

歯科健康診査(成人・後期高齢者)

歯を失う2大原因はムシ歯と歯周病です。
どちらも自分では気づきにくい病気です。
とくに歯周病は最初は自覚症状が乏しいため、気がついたら歯がぐらついていたなど重症化しやすいです。
最近は糖尿病や心疾患など全身の病気との関係も明らかになっています。

この機会に健診を受けて、かかりつけ歯科医をもち、お口の健康管理を維持しましょう。

成人歯科健診
対象者
区に住所を有する今年度20歳・25歳・30歳・35歳・40歳・45歳・50歳・60歳・70歳になる方

後期高齢者歯科健診
区に住所を有する今年度76歳になる方(年齢は令和6年度中に誕生日を迎えた満年齢)

実施場所
【令和6年度 成人歯科健康診査 実施医療機関一覧表】をご覧ください。
(注意)実施医療機関は変更になる場合があります。
受診方法
受診券の到着後、実施期間内に受診を希望する実施医療機関へ電話等で予約してください。

健診内容
問診
口腔内診査【歯、歯肉、汚れなどの状態】
健診結果の説明及び健診結果に基づく指導
費用 無料

参考文献:
杉並区歯科健康診査(成人・後期高齢者)・眼科検診
https://www.city.suginami.tokyo.jp/guide/kenko/kensin/1004817.html

定期的な入れ歯調整メンテナンス。費用は保険治療3割負担の方で総額約2,000~3,000円

区民健診そのものは良いものです。
とはいえ内科健診とは違う歯科ならではの落とし穴があります。

たとえば内科健診なのにいきなりその日に開腹手術ことなどありません。
医科の世界はまだ道徳があるので、そんなことをする医師はいません。

大きい病気が見つかった際は大きい病院で精密検査を受ける流れができています。
健診自体がトラブルになってしまうようなことは、ほとんどありません。

しかし今回のSさんのように健診だけでなく施術されたら裏目に出てしまった。
それは医科にはない、歯科ならではのトラブルです。

ちなみに健診は無料ですが施術を行なったらそれはお金がかかります。
だから健診のついでに施術をやられて無料のつもりで行ったのにお金を取られたら、それは当然トラブルになります。
お金の話はトラブルを起こすので極力気をつけています。

治療の話に戻りますと、入れ歯を見ると床に貼ってあるのは歯科専用の入れ歯安定剤ティッシュコンディショナーでした。

ティッシュコンディショナーは当院でもよく使います。
ゆるい入れ歯をピタッとさせる良い材料です。

しかし何でも治る魔法の薬ではありません。
使いどころ、使い方があります。

床はさほど不適合でもないのにティッシュコンディショナーを貼られていたので逆に歯グキを刺激して傷つけていました。

また簡単な治療というわけではありません。
ティッシュコンディショナーの粉と液の微妙な違いによって変化する硬さや貼る厚さには細心の注意が必要です。

とくに今回の入れ歯を見た感じとしては硬すぎるティッシュコンディショナーを厚めに貼ってしまったために、かえって入れ歯に不適合を招いてしまったようです。

保険治療で入れ歯のヒビを修理

まずは痛みをなくすことです。
余計なティッシュコンディショナーを削り取って除去しました。

「あっ、痛くなくなりました!」
Sさんは笑顔です。

ところで入れ歯が外れやすい、ゆるさの原因ですが…

着脱してみると部分入れ歯を歯に維持する金属バネがゆるんでいます。
部分入れ歯は着脱を繰り返していると金属バネが変形して広がってしまいます。

これは金属の性質ですから必ず起こります。
そこで金属バネを専用のプライヤーで締めました。

「あっ、ピッタリしました。イヤー、良かったわ!」

時間が経って再び入れ歯がゆるくなったら再び締めれば良いことを説明して治療終了。

Sさんは笑顔で帰られました。

金属バネを締めるのは、締める方向や締める具合、使う器具など歯科医師ならではのノウハウがあります。

間違った方向に動かすと、入れ歯が
入らなくなったりバネが折れたりします。

ですから患者さんご自身で金属バネを曲げるのはやめて頂きたいです。

治療するたびに自分も忘れないように気をつけて意識しているのですが、入れ歯に限らず治療には一つ鉄則があります。

それは
「簡単なことからやること」
です。

入れ歯の金属バネを締めるだけなら治療内容としては簡単です。
金属バネを締めてもゆるかったらティッシュコンディショナーを貼るとか次のことを考えます。

簡単ではない大きく入れ歯の環境を変える施術はリスク、トラブルの可能性も大きくなります。
今回はティッシュコンディショナーを除去して痛みが取れたから良かったのですが、元に戻らない、痛みが取れないケースもあります。

やはりイザというときはすぐに首を引っ込められるような亀のみたいに慎重な姿勢が歯科治療には求められます。
自分への戒めという意味も含めてここに書いてみた次第です。

歯が抜けても保険治療で入れ歯に増歯修理

先の区民健診に同封される歯科健康診査は歯科医師会という組織が行なっている事業です。
当院はその歯科医師会に所属していないので無料での歯科健康診査事業は行なっていません。

全国どこの歯科医院でも誰でも歯科健診が受けられる「国民皆歯科健診」を法律に入れることを歯科医師会では悲願としているようです。

それもメリット・デメリットあります。
私がここに書いたトラブルもあまり表立っては出てこないデメリットです。

とくに仮に当院に健診目的で来院された患者さんがいらしたとしたら、健診以外の治療行為は少なくとも初回はしません。

もしも虫歯や入れ歯の不適合を見つけたとしても
「普段通っている歯科医院さんで治してもらってくださいね」
と言うのがスジです。

健診と称して他の歯科医院さんから患者さんを奪おうとするような道徳的ではないマネはしないほうが良いでしょう。
国民皆歯科健診になって、そのようなことが横行するのも怖い世界だなーと思います。

もちろん、かかりつけの歯科医院がないとか、そこでは入れ歯治療はやってないとか、今痛いから緊急で治してほしいとかいうなら治療するのですが、とにかく初めての患者さんには慎重なくらいの対応でちょうどいいのです。

そのようなことから国民皆歯科健診については、どのような経緯になるか慎重に見ているところです。

歯科健康診査(成人・後期高齢者)で行なうような歯周や歯、口の検査や歯石取りみたいな害をあまり起こさない治療や入れ歯の定期的な管理、リハビリテーションは、保険治療3割負担の方で1回2千円ほどでできます。

3か月~半年ごとの受診をオススメしています。

無料とはいえ健康診査で全く知らない歯科医院に行ってトラブルに見舞われるよりは、普段通っている、かかりつけ歯科医師の元で安心して定期的な通院をされる方が良いと個人的には考えます。

今回行なったSさんの入れ歯を調整する治療は、保険治療1割負担で約1,000円でした(治療費は症状により個人差があります)。

【関連記事】→入れ歯が痛い「Q.入れ歯が痛い。自然に治りますか?」


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・歯が一本もない、入れ歯を使っていない方に新しく入れ歯を作る治療を行ないました。

杉並区、西荻窪で入れ歯治療を数多く手がける、
いとう歯科医院の伊藤高史です。

「全然合わなくなっちゃって」
と言いながら入っていらしたのは70代女性のBさん。3年ぶりの来院です。

上は総入れ歯を当時に作っていました。下は歯が数本あったのですが入れ歯を作らないままで終わっています。
久しぶりに拝見すると上の入れ歯は全く合わず下は歯が一本もなくなっていました。
下は入れ歯を入れていません。上の入れ歯も合わなくなって再び来院されたという次第です。

そこで今回は上下とも新しく総入れ歯を作ることにしました。
歯科医師によって様々な考え方があるものの当院では上の総入れ歯から作ります。

部分入れ歯の金属バネが折れても保険治療で修理できます

私は当院に戻る前に地方の入院施設を周って治療する訪問歯科に携わったことがあります。

やはり歯が一本もありません。
長年入れ歯も使ってません。
という方が数多くおられました。

固形物を食べられず流動食だけだとやはり寝たきりになってしまいます。
また歯がないと飲み込むことが上手くできず誤嚥性肺炎の原因となります。

そこで
「上の総入れ歯だけをひとまず作る」
という治療をよく行なっていました。

上の総入れ歯の歯並びは、実はある程度ですが機械的に決めることができます。

たとえば鼻の下から前歯の先端が平均25ミリ。
前歯から奥歯の先端の点を結んでいくと平面ができます。
これを咬合平面といいます。

一方鼻の下と両耳の穴を結ぶことでも一つの平面ができます。
これをカンペル平面といいます。

保険治療で入れ歯のゆるさを解決

カンペル平面とは、鼻下点と左右の耳珠上縁を結んだ線によって構成される平面です。

咬合平面とほぼ平行であるとされており、無歯顎やずれ違い咬合などの咬合関係が失われた患者の咬合平面を再度決定する際に使用されます。

カンペル平面と関連する平面には、次のようなものがあります。

フランクフルト平面:
眼窩下縁と耳珠上縁を結んだ平面で、水平基準面として使用されます。
カンペル平面とフランクフルト平面は、X軸まわりに平均的に約12°の角度をもって交差します。

咬合平面:
切歯点(下顎左右中切歯の近心隅角間の中点)と、下顎左右第二大臼歯の遠心頬側咬頭頂の3点を結んでできる平面です。
カンペル平面とほぼ平行になると言われています。

SN平面:
トルコ鞍と呼ばれる脳部位をS点、ナジオンと呼ばれる鼻骨縫合部の最も高い位置をN点として両点を結んだ平面です。

色々な説や誤差はあるものの、咬合平面とカンペル平面が平行とされています。
下アゴと違って上アゴは動かないのでこのような法則を利用できます。

「誤嚥性肺炎が減ってますよ」
「〇〇さんの食事が流動食から少し固形になりました」
医師から報告をくださったのはうれしかったものです。

このような場合、上下の入れ歯を同時に作る歯科医師もいます。
それはそれなりの理論や技術があるので否定するつもりはありません。

ただ下アゴは自由に動くので、上アゴの入れ歯が作製途中で不安定だと下の入れ歯の咬み合わせも不安定となってしまいます。
そのようなことから、上も下も同時に治療しようとするのは私は上手くいきませんでした。

5回ほどの来院で上の入れ歯を入れたBさん。
次の週に来院されました。

「入れ歯を入れて以来、体調が良くて駅から歩いて来たのよ」

と笑顔です。
入れ歯ができるまでは歩くのもしんどくて西荻窪から当院まで徒歩7分の道をタクシーで来ていたそうです。

「こんな調子良くなるなら、もっと早く来れば良かったわ」
とおっしゃってくださいました。

上の入れ歯を作るだけでも、まずは状況が変わります。
お気軽にご相談下さい。

今回のBさんの上の入れ歯を作る治療の費用は、保険治療1割負担で総額約5,000円でした(治療費は症状により個人差があります)。

保険治療で入れ歯の痛いのを解決

誤嚥性肺炎とは異物が肺に侵入することで発症する気管支肺炎のことです。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)は、嚥下機能障害が起きているために肺(気道)に胃又は口から唾液や食べ物、胃液などに含まれる細菌が流入してしまったことで肺に発生する炎症のことを言います。肺炎の一種です。

原因は、老化等で起きる嚥下機能障害、飲み込みが上手くできない等のことによって、唾液や食べ物、胃液などに含まれる細菌が気道へ流入することによります。

危険因子(ある特定の疾病を発生させる確率を高めると考えられる要素)としては、意識レベルが低下、誤嚥障害、アルコール依存症、経管栄養、口腔衛生の欠如によって誤嚥性肺炎が引き起こされます。

診断法としては既往歴、症状、胸部X線、培養によるものがあります。

鑑別が必要な他の疾患としては、吐いた物が大量に肺へ流入してしまった際の胃酸による化学性肺炎はメンデルソン症候群と呼ばれます。
他にも結核と間違えないように鑑別する事が必要です。

合併症としては肺炎の一種である化膿性肺炎(肺化膿症、肺膿瘍)があります。

症状は持続する高熱、咳、黄色痰、全身倦怠、食欲低下などです。肺膿瘍が破れた時は膿気胸となり呼吸困難となります。

治療に使用する医薬品としては、クリンダマイシン、メロペネム、アンピシリン・スルバクタム、モキシフロキサシンがあります。

クリンダマイシン以外は歯科で使うことは少なく時として入院が必要な重篤な状態になります。

患者さんのうち10%ほどは入院必要となります。

よくある徴候や症状は発熱と咳が感染から比較的早期にみられます。

細菌の流入のような「感染性の誤嚥性肺炎」だけでなく、酸性の胃の内容物や胃酸が肺に流入することで発症する化学性肺炎もあります。これは「非感染性の誤嚥性肺炎」の亜型に分類されます。

病因となる菌は、ほとんどが黄色ブドウ球菌です。

歯が抜けても保険治療で入れ歯に増歯修理

診断としては、肺雑音は独特のはないです。胸部レントゲンで肺野に単発の球状の白色陰影を認めます。
球状陰影の中身は膿で満たされ、ニボー像を認めることがあります。

看護において二ボー像とは、腹部X線写真で確認できる腸閉塞(イレウス)の所見で、腸管内容物の液性成分が下に、気体成分が上に移動して水平に液面像を形成したものです。鏡面像とも呼ばれます。

CTスキャンで確定診断ができます。

治療としては抗菌薬を静脈内投与します。
主にセフェム系が使われますが、耐性ブドウ球菌も考慮してバンコマイシン、カルベペナム系が使用されます。
膿気胸をおこしたときは直ちに胸腔ドレナージを行ないます。
抗菌薬が無効の時にはレントゲン透視下で経皮的に膿瘍の穿刺ドレナージを行い持続的排膿をさせます。
最後の手段としては、開胸して、膿瘍のある肺葉を切除します。

参考文献:
Wikipedia誤嚥性肺炎
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%A4%E5%9A%A5%E6%80%A7%E8%82%BA%E7%82%8E

Search Labs | AI による概要
二ボー像とは

Search Labs | AI による概要
カンペル平面とは

【関連記事】→治療方針「当院で作製、修理、調整した入れ歯のメンテナンス」


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・入れ歯が全体的に細すぎるので、補強の金属線を入れて修理して大きく安定させた症例

杉並区西荻窪で入れ歯治療を数多く手がける
いとう歯科医院の伊藤高史です。

「入れ歯が痛い」

入れ歯で大変多い悩みの一つです。
多くの場合、入れ歯を直径数ミリの範囲で削ることで解決できるのですが今回は大がかりな修理となりました。

70代女性のKさんの上の入れ歯です。痛い部分は明らかです。
普通なら該当する箇所を削って終わりなのに、そうはいかない事情がありました。

上アゴを覆うピンク色の材料(床)が細すぎるのです。

上の入れ歯は上アゴを広く覆う方が入れ歯が安定します。
しかし上アゴを覆うと違和感や嘔吐感を訴えられる方がいて、やむを得ず床を小さく作ったり削ったりすることがあります。

そのような事で幅が5ミリくらいになっていました。

さらに削ろうとして気がついたのが入れ歯のヒビです。

5ミリの床を横断するようなヒビ。
間に補強の金属線が入っているので何とか形を保っていました。
これ以上削ったら入れ歯が
折れてしまいます。

保険治療で歯が抜けた部分を入れ歯に継ぎ足す増歯修理

そこで今回は入れ歯上アゴ部分を覆う形に補強する修理を行なうことにしました。

床はプラスチックでできています。
もっともプラスチックだけでの補強では強度が心配です。

プラスチックの中に補強の金属線を埋め込んで強度をつけました。

このような修理をする場合、まずは上アゴを広く覆うようにします。
しかしもし違和感を訴えられたら削れるように補強線の配置も工夫します。

入れ歯を口の中に入れて型をとって石こう模型を作製。
全部で1時間で修理できました。

後は痛みを訴えていた部分を今度は遠慮なく削って当たらなくできます。

修理した入れ歯を入れたKさんは
「あっ、全然痛くなくなりました!」
と笑顔で答えてくださいました。

今回行なったKさんの入れ歯修理する治療は保険適応2割負担で総額約4,000円でした(治療費は症状により個人差があります)。

保険治療で入れ歯の修理

入れ歯の違和感も原因は入れ歯が大きすぎることだけとは限りません。

歯グキと入れ歯が接するピンク色の面(床)が合っていないと、たとえば食事の時や噛んだ時に入れ歯が揺れて歯グキと不自然に部分的に強くぶつかって違和感を引き起こします。

咬み合わせが合っていないと、やはり食事の時や噛んだ時に入れ歯が揺れて、やはり歯グキと不自然に部分的に強くぶつかる現象から違和感を引き起こします。

入れ歯の、グキと入れ歯が接するピンク色の面(床)が小さすぎるのも、かえって違和感を引き起こします。
小さすぎて噛む力に耐えられず、やはり入れ歯が動くことになります。
それで歯グキと不自然に部分的に強くぶつかる現象から違和感を引き起こすのは同じです。

また小さすぎる床は痛みを引き起こしたり噛む力によって折れてしまったりすることは今回の症例を見ても明らかです。

義歯床(ぎししょう)は、義歯の総入れ歯の本体で、人工歯を支え、口の粘膜と密着して総入れ歯を安定させる役割があります。

義歯床は、主にレジンと呼ばれる合成樹脂(プラスチック)だけで作られているものと、レジンと金属(金合金・チタン・コバルトなど)を組み合わせたものがあります。

義歯床の粘膜面部と研磨面部との境界部分を「床縁」といいます。義歯の維持に重要な部分で、周囲組織の動きと調和した形態でなければなりません。

参考文献:Search Labs | AI による概要

入れ歯修理の費用は保険治療3割負担の方で総額約3,000~5,000円

入れ歯の違和感は様々な原因があります。

また慣れるのにかかる時間が患者さんによって違ったり、同じ大きさでも歯グキや咬み合わせの適合具合によって感じ方が変わったりします。

違和感とは患者さんの主観なので、治療する歯科医師の側も経験と試行が求められます。

検査して数値を求めて、その科学的な根拠(エビデンス)に基づいて治療方針を決める「エビデンスベースドメディシン」は大切です。

根拠に基づく医療(こんきょにもとづくいりょう、Evidence-based medicine: EBM)とは、「個々の患者のケアに関する意思決定において、現在の最良のエビデンスを意識的、明示的かつ思慮深く用いること (conscientious, explicit, and judicious use of current best evidence)」です。
エビデンスに基づく医療とも呼びます。

EBMの目的は、臨床医の経験、患者の価値観、および入手可能な最良の科学的情報を統合して、臨床管理に関する意思決定を導くことです。

この用語はもともと、医学の実践を指導し、個々の患者に関する個々の医師の意思決定を改善するための手段を説明するために使用されていました。

参考文献:Wikipedia「根拠に基づく医療」

保険治療で入れ歯の痛いのを解決

ですが今回みたいな違和感の場合は、たとえば「入れ歯違和感チェッカー」とかいうマシンがあって、数値が10以上なら入れ歯の床を小さくする、数値が5未満なら入れ歯の床を大きくする。

…そのような便利な機械は存在しません。

ですから、これまでの歯科治療の流れや患者さんの望み、医科での治療との関わり、家族との関係、仕事のストレスなど様々なことをお聞きすることがあります。

その中に違和感の原因、治療のヒントが隠れていることがあるからです。

そのような事から病気の原因を追求していくことを患者さんの物語(ナラティブ)から治療する「ナラティブベースドメディシン」といいます。

【関連記事】→入れ歯の違和感「Q.入れ歯を新しく作り直したら、違和感が強くて入れていられません。自費で数十万円もしたのですが…。以前使っていた保険の古い入れ歯のほうが見た目は良くなくても長い時間入れていられるし食事がちゃんとできます。改善できますか?」


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・グラグラの歯を抜いて、抜いた部分にプラスチックの人工歯を継ぎ足す増歯修理を行なった症例

杉並区、西荻窪で入れ歯治療を数多く手がける、
いとう歯科医院の伊藤高史です。

「入れ歯が入らなくなっちゃったよ」

70代男性のWさんは1年半ぶりの来院です。
診療室に入ってくるなり入れ歯の入ったタッパーを渡されました。

口の中に残っている歯の本数が少ないので入れ歯がないと見た目にも関わりますし食事もできなくなってしまいます。

とはいえその表情に悲愴な感じはありません。

以前から揺れている歯が多かったWさんは、これまでも揺れている歯を抜いたり歯が自然に抜けたりして当院で何年間もずっと治療していたからです。

今回も治療方針としては同じです。

揺れている下の歯2本を抜いて、抜いた部分にプラスチックの人工歯を継ぎ足す増歯修理を行ないます。
また上の歯も1本が自然に抜けていました。

保険治療で入れ歯の調整

比較的遠方からいらっしゃる方なので上下同時に増歯修理をしました。

さらに下の入れ歯は増歯修理した結果、生えている歯が一本もない総入れ歯になりました。

だから抜いた部分の歯を補うだけでなく歯グキと接するピンク色の部分(床)の形も歯グキと合うように形を整えました。
簡易な修理にも関わらず歯グキと入れ歯が、軽くですが吸いつくような維持安定を得ることかできました。

入れ歯を口の中に維持する歯が一本でもある部分入れ歯と一本もない総入れ歯では安定がまったく違います。

その維持安定を得るのに大変苦労することもあるのですが
「あっ、これはピッタリになりました。良かった良かった!」
Wさんは笑顔です。

揺れている歯が痛くなるのをいつまでもビクビクしながら使い続けるよりは抜いて増歯修理してしまう方が、かえって安定して痛みもなく快適に使えるようになることが多いものです。

保険治療で入れ歯の作製

補う歯の本数や部位、咬み合わせの具合などの条件によって変わりますが診療時間は今回のように上下同時に治しても1時間ほどでできます。

失った歯の本数が多かったり、残っている歯に入れ歯を維持する金属バネ(クラスプ)を作ったりする時は、型をとって石こう模型上で修理します。
そのような場合は上下どちらか一つの入れ歯修理だけで1時間ほどお時間をいただくことがあります。

駅前の喫茶店などでお茶しながら時間が経つのを待ってから戻っていただければ、その間に修理してしまいます。

もっとも今回のように修理した結果、部分入れ歯から総入れ歯になったものは維持安定が不十分な場合があります。
Wさんの場合も修理を繰り返していて歯グキと歯並びが不整なので、これを機会に新しく総入れ歯を作ることになりました。

とはいえ使える入れ歯があるので、じっくり取り組んで良い入れ歯を作る余裕を患者さんも歯科医師も持つことができます。

たとえば遠方からの方で1か月に一度の来院で数か月かけて作る方もいます。
逆に早く新しい入れ歯が欲しい方の場合は4回くらい毎日連続して通っていただくと作る作業をどんどん進めることができます。

当院は初めて来院される時以外は予約制ではありません。
診療時間内に来院された順番で診察しています。
だからそのような融通がききます。

もっとも総入れ歯を1回の来院で完成させてほしい、というような保険治療を逸脱した施術はできません。

また入れ歯を作る工程の最後は専門の歯科技工所で完成させます。その作業は、発注して作ってまた持ってきてもらうため10日前後の日数をいただきます。

昔は「3日で仕上げて、よろしく」みたいなこともできました。
しかし昨今のご時世でそのような無茶をするとブラック企業のレッテルを貼られてしまいますし健全な仕事ではありません。
その工程を短くすることはできません。

そのことをご了承いただけますと助かります。

入れ歯は定期的な調整管理が必要です

入れ歯には、患者さんの口の中に残っている歯が一本もなく全部の歯が入れ歯の「総入れ歯」と患者さんの口の中に残っている歯が一本以上ある「部分入れ歯」があります。

入れ歯をつけた患者さんは、入れ歯を使っている間に上下ともアゴの形や位置関係が変わってきたり残っている歯の状態が変わったりしてきます。

他にも個々の患者さんごとの上下の歯の咬み合わせ、食事時の咀嚼でのアゴの動きのクセや習癖、食習慣などによっても状態が変化します。

するとアゴの骨が減ってくることによる変化、残っている歯の移動や傾きなどが時間の経過とともに起こってきます。
それによって口の中と入れ歯との間に不調和が生じてくるわけです。

そのような不調和によって、歯を失った部分を入れ歯を入れることによって補われた形と機能が再び失われる可能性があります。
ですから定期的に的確にその不調和を修正、調整、管理することで入れ歯の形と機能を回復することが必要です。

つまり入れ歯を着けた後の管理は、アゴや口の中への調和と、咬み合わせたり咀嚼、嚥下したりという口の機能の回復、維持することが大事です。

総入れ歯を作る費用は保険治療3割負担の方で総額約2万円

入れ歯の調整、管理、修正は、入れ歯が完成してからの時期に応じた管理の目的、手段があります。

1.おおむね1か月以内は、身体との調和を主な目的とした管理を目的として調整、アドバイス、指導を行ないます。

・着脱が不自由なくできるか
・プラスチック製人工歯の形や歯グキと接するピンク色の部分(床)の形は適切か
・残っている歯や歯グキと合っているか
・カチカチ噛んだりギリギリと左右に歯ぎしりした時の関係は適切か歯や歯グキを痛めていないか
・入れ歯が大きすぎないか部分入れ歯を残っている歯に維持する金属バネの装着感はどうか
・食事方法、入れ歯で食事するときにとくに注意するべきこと
・入れ歯の日常の取り扱い方法、清掃方法、壊さない、紛失しないための注意点

2.おおむね2~3か月は咀嚼などの口の機能の回復を主な目的とした調整、アドバイス、指導を行ないます。

・全身の疾患や咬み合わせの難しさ、アゴの小ささや凸凹が極端に多いなど口の中の状態が困難で機能回復が極めて難しい患者さんに対する再度の調整
・機能のより良い回復を主な目的とした指導、管理

3.2~3か月以降については口の機能の維持を主な目的とした調整、アドバイス、指導によって長期的な管理を行ないます。

・生体の経時的、生理的な変化、入れ歯の変化に着目した長期的な使用を見据えた調整管理
入れ歯自体も材質が劣化してきたりプラスチック製の人工歯がすり減ってきたりします。
また部分入れ歯の金属バネが着脱を繰り返しているうちに開いてきて入れ歯がゆるくなることが起こります。
機能検査とそれに基づいた治療、患者さんへのアドバイス!指導により口の機能の維持を主な目的とした管理

このような流れで入れ歯を長く良い状態を保ち快適に使えるように心がけています。

痛い入れ歯の調整の費用は保険治療3割負担の方で約1,000円~2,000円

とくによく行なうのは、たとえば入れ歯で食事すると痛いときに、入れ歯の直径数ミリほどの範囲が歯グキに強く食いこんで痛みを起こしている場合があります。

入れ歯の悩みでおそらく最も多いと思われるものの一つです。

そのような時は口の中をよく見ると直径数ミリほどの範囲で赤や白の傷、潰瘍があります。

その傷に白いペーストを付けてから、ちょっと痛いのは申しわけないのですが入れ歯を装着します。
すると白いペーストが入れ歯に転写されます。
その入れ歯にくっついた白いペーストの部分を削れば入れ歯と歯グキが当たらなくなって解決するわけです。

ですからとくに「食べると痛い」症状はすぐに治ることがほとんどですのでガマンせず相談していただければと思います。

今回行なったWさんの歯を抜いて上下とも増歯修理する治療は保険適応3割負担で約8,000円でした(治療費は症状により個人差があります)。

【関連記事】→歯を抜くことについて「Q.歯が何本か抜けていますが、今のところそのまま放置してあります。前歯ではないので見た目は気になりません。食事も普通にできます。それでも抜けた部分をかぶせる、入れ歯を入れるなど治したほうがいいでしょうか?」